6位 Refused(リフューズド) 『フリーダム』


「俺たちは二度と一緒に演奏しないし、自分たちが成し遂げたことを称えるか祝うこともないだろう」と、スウェーデンの反資本主義ハードコア・バンドのリフューズドは1998年の解散時にこう宣言していた。この17年間で特にバンドのコアなサウンドなど多くのことが変化した。バンドメンバーたちはザ・インターナショナル・ノイズ・コンスピラシーやテキストのような非パンク・バンドで活動してきたことで、より聴き手が理解しやすいような作風で急進的になる方法を習得した。収録曲の『オールド・フレンズ/ニュー・ウォー』は執拗で歪みのないギターやプログラム化されたドラム、エフェクターのワウを多用したベースのサウンドと、歌声と叫び声のヴォーカルの組み合わせをまとめ上げている。楽曲『フランサフリック』ではヒップホップ調のシンコペーションのビートやブギウギ・スタイルのギター、ホルン、優雅な合唱隊などが採用されている。甘い女性ヴォーカルと繊細な調べが混ざり合って開始され、ノコギリのような鋭いギター音とマシンガンのようなリズムのクライマックスが印象的な『ドーキンス・クライスト』などの暗めの曲は、そんなスタイルの工夫によってより一層破壊的なイメージが強まっている。by J.W.

5位 Iron Maiden(アイアン・メイデン) 『魂の書~ザ・ブック・オブ・ソウルズ~』


40年の歴史と世界中の大規模なファン基盤を考えると、アイアン・メイデンは努力せずに現在の栄光に満足していても良かっただろうが、アルバム『魔力の刻印』の第二章をリリースした。それどころか、英国ヘヴィメタルのニューウェイブの卒業生総代は、冒険しているのに勝ち誇ったリフや高慢なコーラスというアイアン・メイデンらしい作風への欲求を満たすような、強烈で力強く壮大な92分間にわたる2枚組のアルバムを創り上げた。フロントマンのブルース・ディッキンソンは、今まで以上の力強さで(そして咽喉がんを克服したばかりの人間にしてはかなり見事に)黒魔術の儀式や飛行船事故の壮大な物語を叫ぶ一方、デイヴ・マーレイ、エイドリアン・スミス、ヤニック・ガーズによるトリプル・ギターのアタックは騒々しいバンに乗り1984年の時代へと戻っていく。by C.K.

4位 High on Fire(ハイ・オン・ファイア) 『ルマニフェラス』


オークランドのストーナー・メタル戦士による7枚目のフルアルバムは、ヴォーカルのマット・パイクがアルコール依存症というすごくリアルな悪魔と戦う様子を見せてくれる。アルバム『ルマニフェラス』は、完全に禁酒を達成できたパイクによって作曲と演奏がなされたハイ・オン・ファイア初のアルバムであり、一部のファンは上半身裸の奇人の切れ味が鈍くなってしまうのではないかと心配していた。しかし、彼らの音楽はそんな心配を振り払うかのように、エネルギッシュなギターや疾走感のあるドラム、パイク独特のハスキーな叫び声といった要素に溢れている。『カルコサ』や『スレイヴ・ザ・ハイヴ』のような収録曲が猛スピードの攻撃的なものである一方、『ザ・ファルコニスト』や『ザ・ケイヴ』などのより悲しげな曲には熟練した正確さがある。パイクのアルコール依存症の治療は精神が研ぎ澄まされた肉食動物を目覚めさせたのだ。by C.K.

Translation by Deluca

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