マイケル・ジャクソンの新作ドキュメンタリーからわかる10のこと

5.ジャクソンズは『シェイク・ユア・ボディ』でその野望を露わにした

「このデモを聴くと、当時彼らが大きな目標をもっているのがわかる瞬間があるんだ」とクエストラヴは話す。「バックグラウンドでジャッキーが「ビー・ジーズがこれを聴いて悔しがるにちがいない」って言っているのが聴こえるだろ」。その頃は『サタデー・ナイト・フィーバー』全盛の時代で、ビー・ジーズは世界一のグループだった。だが、ごく短い間に状況は一変する。

6.映画『ウィズ』なくして『オフ・ザ・ウォール』はなかった

マイケルは、『オズの魔法使い』を翻案したシドニー・ルメットの映画『ウィズ』でかかしを演じている。映画ではダイアナ・ロス、レナ・ホーン、リチャード・プライヤーも出演していたが、この作品でマイケルは初めてクインシー・ジョーンズと仕事を共にした。クインシーはこの後、『オフ・ザ・ウォール』、『スリラー』、『バッド』をプロデュースすることになる。プロデューサーであるロブ・コーエンは次のように回想する。「本当は、アルバム『オフ・ザ・ウォール』が生まれた夜は、映画の事前レコーディングの時だったんだよ。クインシーは、ダイアナ・ロスに非常に細かく指示を出した。夜中の2時近くまでかかって、クインシーはダイアナにやって欲しかったことを引き出すと、彼は「OK、マイケル、6小節目から入ってくれ」と言った。すると、マイケルは1,000ワットの輝きで入っていった。マイケルは個性を際立たせる達人だよ」。

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Todd Gray

7.ニューヨーク・シティの音楽はマイケル・ジャクソンに大きな影響を与えた

マイケルは『ウィズ』の撮影中、少しの間ニューヨーク・シティに移住し、ニューヨークのディスコ・クラブを象徴するスタジオ54を探索した。「スタジオ54での体験は、このアルバムでプレイしたかった多くのことができたと確信しているよ」とクエストラヴはこのドキュメンタリーで断言する。ニューヨーク州立大学のクライヴ・デイヴィス・レコード音楽学部のジェイソン・キング教授もまた、ジャクソンがこの街の初期のヒップホップの気配に気づいたのではないかと示唆する。その影響はアルバム『オフ・ザ・ウォール』のビートボックスによるトラック、『ワーキング・デイ・アンド・ナイト』に現れているという。

Translation by Kise Imai

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