カート・コバーンの知られざる素顔:映画『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』監督インタヴュー

「僕はこのアルバムのプロジェクトが映画に付随するものであり、この中では音という形で物語が語られると考えている」とモーゲンは主張する。「自由な語り口で展開するために、このアルバムは独立構成にしている。でも映画を見れば、それがきっとアルバムに対する理解を深めてくれるだろう。そして逆もまた然りだ」

—このアルバムは映画と同様、大部分が時系列で進んでいます。ニルヴァーナの『ビーン・ア・サン』のデモから始まり、若い頃に音楽的実験として作られた初期の作品、彼が書いた最後の作品と言われている『ド・レ・ミ(メドレー)』のテープで終わります。カートはカセットに日付を残していたのですか?

彼は日付をまったく残していない。でも収録されたものの大部分の、年(一部は数か月の単位まで)解明できた。そのテープに収録された他のものに基づいてね。話している音源はすべてトレーシーのアパートで録音されたものだとわかっていた。『ビーン・ア・サン』も同じ時期に作られたものだ。でもカートは音源に日付を残していない。カートの日記が複雑なのは、彼が後から書き直しているからだ。日記でさえも必ずしも時系列になっていないんだ。

僕が思うにアルバムの前半のカートは温かくて優しい、より面白がっていて充足感を感じている。君はトレーシーのアパートにいる。アルバムの弧における転換点は『アバディーン』の物語だ。この作品がその後に続く文脈を深めている。最初は屈託がなかった習作が真剣な焦点を持つようになり、その経験に徐々に染み渡っていった。

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Universal

Translation by Yoko Nagasaka

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