デッドファンのアーティストが選ぶ、グレイトフル・デッドの名曲

PATRICK DOYLE, ANDY GREENE, SIMON VOZICK-LEVINSON | 2016/03/13 14:00

| Photo: (Michael Ochs Archives/Getty) |

ソニック・ユース、ブラック・クロウズ、アニマル・コレクティヴ等のメンバーが語るレジェンドの音楽

グレイトフル・デッドは、正式に50年の活動に幕を下ろすべく、複数回のフェアウェル・コンサートを開催した。彼らを失うことは、ロック、ポップ、フォーク、ジャム、そして前衛音楽の領域にまで影響を与えてきた伝説の終わりを意味する。多様なジャンルのアーティストにグレイトフル・デッドのお気に入りの一曲を挙げてもらった。協力してくれたのは、ロック界のグレイトフル・デッド継承者であるマイ・モーニング・ジャケットやブラック・クロウズ、ポップの第一人者であるブリーチャーズ、冒険好きなオルタナティヴ・バンドのソニック・ユースやアニマル・コレクティヴのメンバーだ。

ジム・ジェームス(マイ・モーニング・ジャケット):『キャンディマン』(1970)
Jim James
Photo: 
Josh Brasted/FilmMagic/Getty

俺はかつてグレイトフル・デッドやその周辺の文化に抵抗していた。胡散臭いような気がしていたし、いつも彼らの話題ばかりで嫌気がさしていた。ある日、誰かにこう言われた。「好きじゃないのは分かっているが、『アメリカン・ビューティ』だけは聴いてみなよ」ツアー用バンの中で聴き始めたら、「これはすごい。本物の「歌」じゃないか」って思った。ちょうどその頃ロサンゼルスでライヴがあって、夜中の3時にマンハッタン・ビーチをひとりで歩いていた。その時流れたのが『キャンディマン』だ。それはもう特別な瞬間だった。俺の心に突き刺さった。夢のようだった。ヴォーカルのハーモニーとギターがとても美しく調和し、歌の舞台に連れて行ってくれた。ドラッグ・ディーラーの話だが、安っぽくない。俺はライフガードの小屋に寄りかかってこの曲を20回聴いた。ジェリーの精神世界はこの世で最も崇高だと思う。彼の声とギターのトーンには何か特別なものがあって、平和が拡散されるんだ。でも、軽薄な平和じゃない。ピースサインが描いてあるタイダイシャツみたいな下らないものじゃなくて、問いかけてくるような、闇を伴う平和だ。


Translation by Satoko Cho

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