スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガン、ロックの殿堂に物申す

「スマッシング・パンプキンズはロックの殿堂に相応しいバンドだ」ー ビリー・コーガン(Photo by Frederick Breedon/Getty Images)

「俺たちは90年代を象徴するバンドのひとつだったし、これからも最高のバンドであり続ける」


昨年スマッシング・パンプキンズはデビューから25周年を迎え、ロックの殿堂入りに必要な条件を満たした。「そのことはよく聞かれるよ」ビリー・コーガンはそう話す。「選考が実力に基づくのであれば、俺たちはロックの殿堂に相応しいバンドだと思ってる。俺たちは90年代を象徴する音楽を残したし、これからも最高のバンドであり続ける。来年、俺たちは結成30周年を迎えるんだ。バンドとして俺たちがこれまでに成し遂げたことは、評価されて然るべきだと思ってる」

しかし、ロックの殿堂の意義については懐疑的な部分もあるという。「ある特定のジャンルが対象として見なされなかったり、30年前の人間関係のこじれが選考に影響したりするんだよ」コーガンはそう話す。「これはいち音楽ファンとしての意見に過ぎないけど、コネがあるというだけで大した功績を残したわけでもないアーティストが殿堂入りしてるようじゃ、その存在意義が疑われても仕方ないと思うんだよ。もっと相応しい偉大なアーティストは他にたくさんいるはずなのにね」


スマッシング・パンプキンズが殿堂入りすることになった場合、その対象となるメンバーについての議論は避けられない。結成時から一貫してバンドに残っているのはコーガンのみだが、オリジナルメンバーであるギタリストのジェームズ・イハ、そしてベーシストのダーシー・レッキーとは不仲が囁かれている。また現在のギタリストであるジェフ・シュローダーをはじめ、過去にベーシストを務めたメリッサ・オフ・ダ・マー、ニコール・フィオレンティーノ、ジンジャー・レイズ、そして元ドラマーのマイク・バーンなど、一時的にバンドに在籍したメンバーが多数存在する。そういったケースでは基本的にオリジナルメンバーが対象となるが、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのギタリストであるジョシュ・クリングホッファー、メタリカのベーシストのロバート・トゥルージロ、そしてグレイトフル・デッドのキーボーディストのヴィンス・ウェルニックなど、非オリジナルメンバーを含むラインナップで殿堂入りを果たしたケースも数多く存在する。

アクセル・ローズの前例のように、式典への出席を直前でキャンセルするような事態も想定されるかという問いに対し、コーガンはこう答えた。「そんな質問には答えられないよ。出席に同意したとして、17年後に式典に招かれた時に俺が車椅子に乗っている可能性だってあるんだ。こないだチープ・トリックのリック・ニールセンと会った時に、彼らはいい加減殿堂入りすべきだって伝えたんだ。リックは笑って『正直どうでもいいんだよ。大事なのは今さ』って言ってた。それでも、俺はやっぱり偉大な功績を残したアーティストが正当に評価されるべきだと思ってる。ツテやコネがものを言う世界じゃないはずだからね」

Translation by Masaaki Yoshida

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