NYパンクスの聖地、ABC No Rioの解体が決定

ABC No Rioのニューヨーク拠点が取り壊され、よりエネルギー効率のいいスペースに建て替えられる。(Karsten Moran/The New York Times/Redux)

パンクスの聖地ABC No Rioにて、解体前最後の展示を2016年6月10日から開催

ニューヨーク市の伝説のアート・センター、ABC No Rio(ABC・ノ・リオ)が、新しいビルの完成まで閉鎖されると、ニューヨーク・タイムズが報じている。このスペースは、1980年、ロウアー・イースト・サイドに建つレンガ造りのアパートにオープンした。

1989年から毎週開催している、パンク/ハードコア・ショーで有名なABC No Rio。このショーは、CBGBなどの人気パンクス・スポットに蔓延する暴力や偏見の抑止を目的としていた。また、同所は、80~90年代の音楽と文化を記録する、アメリカ最大級のzine(ジン:同人誌)ライブラリーでもあった。

本施設は、2016年6月に正式に閉鎖され、同年秋までに解体される。新センターの設計を担当するポール・カストルッチがニューヨーク・タイムズに語ったところによると、このスペースは、「この街でいちばんエネルギー効率のいいビルのひとつ」になるという。

現在の建物で最後となる美術展が、2016年6月10日から開催予定。「InFinite Futures」(無限の未来)と題した展示では、この先500年のABC No Rioの姿を芸術的なビジョンで紹介する。もうひとつの展示では、このスペースの歴史を紹介する。

現時点では、運営者は、ロウアー・マンハッタンのLESコミュニティ・センター、Clemente Soto Vélez(クレメンテ・ソト・ヴェレス)に、有名なzineライブラリーとともに「亡命する」予定で、毎週土曜日午後開催のパンク・ショーは、2016年7月にブルックリンのSilent Barn(サイレント・バーン)に移行する予定だ。

Translation by Naoko Nozawa

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