映画『スーパーメンチ - 時代をプロデュースした男!』:ロック界のカメレオンマンの軌跡を描いたドキュメンタリー

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アリス・クーパーのマネージャーを務めたシェップ・ゴードンのドキュメンタリー、本作で監督に初挑戦したマイク・マイヤーズが語る。

2年前、胃腸の手術を理由に入院中だったシェップ・ゴードンの見舞いに訪れたのは、俳優のマイク・マイヤーズだった。病院のベッドに横たわる彼を前に、マイクはゴードンのドキュメンタリー映画を制作する計画について熱く語った。マイケル・ダグラスやダライ・ラマとも交流を持ち、アリス・クーパーのマネージャーを務めたことでも知られる、ロック界のカメレオンマンの異名を持つゴードンは、渋りながらもその計画に同意する。「制作に同意したのは、当時ろくに身動きも取れない状況で自分自身を哀れに思っていたからかもしれない」ゴードンはそう話す。

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マイヤーズとゴードンは、1991年に『ウェインズ・ワールド』の撮影を通じて出会った。同作のコンサートのシーンで、当初マイヤーズはアリス・クーパーの『スクールズ・アウト』を使うことを希望していたものの、新曲『フィード・マイ・フランケンシュタイン』を使用するよう、ゴードンによって半ば強引に説得されたという。「こう言われたんだ。『撮影は2週間後だ。君に他の選択肢がないことはわかってる』」マイヤーズはそう話す。「只者じゃないと思ったよ」以降交流を持つようになった2人は、ハワイにあるゴードンの自宅で多くの時間を共に過ごし、マイヤーズは70年代の音楽史とハリウッドにまつわる無数の秘話をゴードンから聞かせてもらったという。「彼の家に行く時は、話を聞かせてもらいたいセレブの名前を手に書いておくようにしてた」マイヤーズはそう話す。「僕が名前を挙げると、彼はこんな風に話し始めるんだ。『私がラリー・ストーチと会ったのはゼイバーズで・・・』」

ゴードンの古い写真や映像を世界中からかき集めたマイヤーズは、本作の制作におよそ18ヶ月を費やした。「彼の自宅を訪れた時、壁一面が私の写真で埋め尽くされていて驚いたよ。中には私の親戚や、バル・ミツワーでの私の写真まであったんだ」ゴードンはそう話す。「正直怖くなったよ。CSIのワンシーンのようだったからね」

Translation by Masaaki Yoshida

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