スティーヴィー・ワンダーとコモン、黒人差別を訴える衝撃的なMVを発表

コモンとスティーヴィー・ワンダーは、警察によるアルトン・スターリング射殺事件の衝撃的なシーンから始まる新たなMV『ブラック・アメリカ・アゲイン』を発表した。 (Photo by Michael Kovac/FilmMagic / Joseph Okpako/Redferns via Getty Images)

警察によるアルトン・スターリング射殺事件のシーンから始まる衝撃的なMVで、シカゴ出身のMCコモンとスティーヴィー・ワンダーは、何世紀にもわたって慣行化された人種差別を訴えた。

コモンはスティーヴィー・ワンダーと共に、自身の政治的なメッセージを込めた衝撃的な楽曲『ブラック・アメリカ・アゲイン』のMVを発表した。飾り気のない赤裸々なMVは、ルイジアナ州バトンルージュで起きた警察によるアルトン・スターリング射殺事件のシーンからスタートする。

MVはゆったりとした記録映像と、悲しみや思いを巡らして考え込む黒人男性と黒人女性の場面映像を合わせたものだ。場面全体を通して、コモンはトレイボン・マーティンやBlack Lives Matter(黒人の命は大切)、奴隷制度、ジム・クロウ法、大量投獄、ゲットー化、ミシガン州フリントの水道危機、さらにはヴィオラ・デイヴィスが指摘したマリア・シャラポワとセリーナ・ウィリアムズの間における賃金格差にまで言及して、荒々しいヴァースを放っている。

楽曲の終わりの部分で、スティーヴィー・ワンダーは次のように歌う。「抱えている多くの問題を解決する一つの方法は、その人を大切な人のように感じる事だ。男は彼が誰で、何を誇りに思っているかを知るまで落ち着くことができないんだ。彼が誰で、どこから来たのかもね」

『ブラック・アメリカ・アゲイン』は、カリエム・リギンズとロバート・グラスパーがプロデュースを手掛けた。また同楽曲にはベースにエスペランサ・スポルディング、アドリブをチャック・DとMCライト、スクラッチをJ・ロック、ストリングにパトリック・ウォーレンが参加している。このパワフルな楽曲は、コモンの近く発売されるアルバムのタイトルトラックだ。2014年のアルバム『ノーバディーズ・スマイリング』に続く通算11作目となる同アルバムの発売日はまだ発表されていないが、イギリスのカルチャーサイトComplexで、コモンは同アルバムがジョン・レジェンドやアンダーソン・パック、ジ・インターネット、ジェイ・エレクトロニカをフィーチャーした作品になると語った。

Translation by Yuka Ueki

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