メタリカ、『ブラック・アルバム』以降の人気ソング・ベスト10

7位『モス・イントゥ・フレーム』

ステージに上がる直前、メタリカは必ずバックステージの小さなスペースでジャムセッションを行う。メンバーたちが様々なアイディアを交換し合うその様子は、毎回欠かさずテープに収められるという。『ハードワイアード…トゥ・セルフ・ディストラクト』の制作にあたり、バンドは1650にも及ぶそのファイルの中からリフやメロディを厳選していった。そのプロセスには何年もの歳月が費やされたが、そうして誕生した6分に及ぶ『モス・イントゥ・フレーム』は発表から間もないにもかかわらず、見事に本誌読者の支持を勝ち取った。ファンがアルバムに寄せる期待を、同曲は大きく膨らませた。


6位『ノー・リーフ・クローバー』

オーケストラを迎えた1999年発表のライブアルバム『S&M〜シンフォニー&メタリカ』は、90年代にメタリカに愛想を尽かした古くからのファンを一層ウンザリさせたに違いない。確かに『エンター・サンドマン』や『メタル・マスター』の退屈なアレンジは眠気を誘うが、一方でサンフランシスコ・オーケストラはメタリカのヘヴィなサウンドを際立たせてみせた。2つの美学の対比が生み出した独特の緊張感は、同作のために制作された『ノー・リーフ・クローバー』に集約されている。一枚の葉も残されていないクローバーが象徴するもの、それは不運がもたらす絶望に他ならない。「暗く長いトンネルの先に見えた一筋の光」ジェイムズ・ヘットフィールドはそう歌う。「それはお前に向かって突進してくる貨物列車のヘッドライト』


5位『ヒーロー・オブ・ザ・デイ』

同曲のミュージックビデオに登場する酔った少年の視線の先にあるもの、それはボクシングに興じるジェイソン・ニューステッドとカーク・ハメット、ゲーム番組の司会を務めるニューステッド、そしてニュースキャスターに扮したハメット等、メタリカのメンバーがあらゆるチャンネルに登場する奇妙なテレビだ。MTVでメタリカのビデオが頻繁に流れていた1991年頃ほどではないにせよ、1996年に公開された本映像はファンの間で人気を呼び、同曲はビルボードのモダン・ロック・チャートにランクインした。ライブでは2000年以降、彼らは同曲を1度も披露していない。

Translation by Masaaki Yoshida

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