ノエル・ギャラガー、新作と爆破テロを語る「テロリストが憎むものすべてに光を当てた」

「恐れ知らずの堂々たるポップ・アルバムだ」。ギャラガーは本作についてそう話す。「美しい女性たちを笑顔にするもの、ハイになるナイトライフの興奮、そういう日々の喜びについてのアルバムだ。テロリストたちが何よりも忌み嫌うものさ。俺がシリアに行ってイスラム国にこのアルバムを聴かせたら、ヤツらは壊滅するだろうな。トランプでさえ考えを改めるはずさ」

今年5月にマンチェスターのコンサート会場で起きた、23人の命を奪った爆破テロ事件以降、「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」が人々の心を癒すアンセムとなったことについて尋ねると、彼はこう話す。「セント・アンズ・スクエアで1分間の黙祷が行われる様子を、俺は自宅のラウンジのテレビで見てた。ある少女があの曲を歌い始めたと思ったら、瞬く間に大合唱に変わったんだ」。ギャラガーはこう続ける。「まるで魂を揺さぶられるような衝撃で、“ホーリー・ファック”って感じだった。それからの数週間で、俺は音楽の力を再び信じるようになった。それが自分の曲だったからじゃない。大事なのは、あんなにも大勢の人間があの曲を必要としたっていう事実だ。今でもあの衝撃をはっきり覚えてる。はるか昔に書いた俺が書いたあの曲は、今じゃまったく違う意味を持つようになった。あの曲はマンチェスターの人々にとって、暴力に屈しないというマニフェストのようなものなんだよ」



予定にはなかったものの、話題は音楽史に残る名曲の数々を収録したオアシスのベスト・アルバム『ストップ・ザ・クロックス』に及んだ。「俺たちが素晴らしい作品を残したのは事実だ」。ギャラガーはそう話す。「1998年から2004年頃までは、若干路頭に迷ってたのは認めるけどな。桁違いの成功と名声を手にした俺は、ある日こう自問したんだ。『俺は何のために音楽をやってるんだ?』って。金なんか欲しくなかったし、名声も栄光も求めてなかった。あの頃の俺は、音楽をやる理由を見失ってしまっていた。でもそれは戻ってきたんだよ。俺たちはクソみたいな曲も書いたけど、中には最高の作品もあるってことは確かさ」

先日ローリングストーン誌のポッドキャスト「Music Now」のインタビューに応じたリアム・ギャラガーは、バンドの再結成の可能性についてこう語っている。「ほんとは俺のソロアルバムなんかより、オアシスのアルバムの話をしてぇよ。ノエル・ギャラガーもそう思ってるはずさ。俺たちは一緒にやったほうがいいんだよ」

弟の考えについて意見を求められたノエルは、迷わずこう答えた。「死んでもやりたくないね」。

Translated by Masaaki Yoshida

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