グレイトフル・デッド、歴史が詰まった写真集が発売|フォトグラファーが語る11枚


ザ・ワーロックス「立入禁止」(撮影:ハーブ・グリーン 1965年)


© Herb Greene

「これは俺が撮った最初のポートレートだ。彼らはまるで群れで移動する動物のようだった」と、ハーブ・グリーンは振り返る。バンドのメンバーは、ピッグペンを先頭にグリーンの住むアパートメントの階段を駆け上がってきたという。「大げさな話でなく、本当に建物が壊れるんじゃないかと思ったよ。宝の箱が城門を破ってなだれ込んできたような感じかな。それくらいの凄いインパクトがあった」

ロバート・ハンター&ジェリー・ガルシア(撮影:ジェイ・ブレークスバーグ 1991年)

© Jay Blakesberg

「ザ・ゴールデン・ロード誌向けインタヴュー用に、“ジェリー・ガルシアとロバート・ハンターのツーショットを撮ってくれないか”とブレア・ジャクソンから電話をもらった時は、天にも昇る心地だった」と、ジェイ・ブレークスバーグは言う。バンドのステージ・ショットやボブ・ウェアのポートレートは撮影したことがあったが、ジェリー・ガルシアの公式ポートレートは初めてだった。

「バンドのオフィスで案内された部屋は、ライトスタンドと照明用アンブレラ1組を設置すると、俺の居場所はデスクの上しかないという狭さだった。2台のハッセルブラッド製35mmカメラにカラー用とモノクロ用のフィルムをそれぞれセットし、撮影に備えた。俺にとって記念すべきポートレート撮影用に、15〜20分のセッションに使用可能な量のフィルムを用意していた」

ハンターとガルシアが座り、わずか数枚撮影したところで広報担当者が終わりを告げた。「俺は少々むっとしたけれど、受け入れるしかなかった」

彼はツーショットに続き、メンバーそれぞれのポートレート撮影を数分でこなした。

「25年以上経った今振り返ってみると、ガルシアとハンターの2ショットは珍しい。それだけにこの時撮影した写真は貴重なものといえる。特にガルシアのポートレートは、俺の代表作のひとつだ」

Translated by Smokva Tokyo

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