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ローリングストーン誌が選ぶ「2017年再発盤」ベスト15

DAVID FRICKE | 2018/01/01 16:00

| ローリングストーン誌が選ぶ「2017年再発盤」ベスト15 |


4. ハスカー・ドゥ 『サヴェージ・ヤング・ドゥ』

本作のリリースは、ドラマーだったグラント・ハートの突然の死と、タイミングが意図せず一致してしまった。4枚組LPボックスは、ミネソタ州で結成されたハードコア・トリオの最初のスタジオアルバム『Everything Falls Apart』(1982年)からの作品も含まれる。1979年〜1982年のバンド初期の作品で、60年代で言えばハンブルク時代のビートルズによる初めてのラフなスタジオ録音のようなアルバムだった。実際、1979年後半に録音されたデモは、ブラック・フラッグというよりもスター・クラブでのラモーンズに近かった。しかしバンドは1981年のライヴアルバム『Land Speed Record』(本セットには含まれず)で、新たな境地を見せつけた。その後バンドは、不満だらけのSSTレコードを経て、サイケデリック・パワー・トリオとしてワーナー・ブラザーズ時代を過ごした。アルバムのカバーは、アメリカ中西部の厳しい冬に敬意を表して、吹雪がデザインされている。

5. 『アメリカン・エピック』

ジャック・ホワイトとT・ボーン・バーネットというルーツの探求者たちが共同プロデュースし、2017年春に米PBS系列で放送された『アメリカン・エピック』は、20世紀前半の音楽業界をテーマにした3部構成のドキュメンタリー。ネイティブアメリカン、移民、下層階級者、野心に燃える人々が初めて脚光を浴び、ディスクに収まった。同ドキュメンタリーのサウンドトラックは、CDとアナログ盤が用意され、カーター・ファミリー、ミシシッピ・ジョン・ハートや、歌う炭鉱夫ディック・ジャスティスら有名な先駆者たちだけでなく、アパラチアのシンガー、ケイジャンのダンスバンド、ブルーズやゴスペルの名手、ネイティブアメリカンの合唱隊、ハワイのシンガーなど、アメリカの真の歌い手たちに至るまで広く脚光を浴びせている。彼らのほとんどは、マイクの前ではなく苦しい生活と労働の合間に歌っていた人たちだ。偉大なるアメリカを再び聴きたければ、このレコードのどの場所にでも針を落としてみるといい。

6. モントローズ 『ハード☆ショック!』

1973年10月、元エドガー・ウィンター・グループのギタリスト、ロニー・モントローズの名を冠したカルテットがデビューアルバムをリリースした。これは、あらゆる意味でヴァン・ヘイレン・ストーリーの始まりでもあった。タイトで筋肉隆々なリズムセクション、リーダーの繰り出す速弾きとパワフルなリフ、華麗でマッチョなヴォーカルによるハードロック・サイクロンが吹き荒れる5年前のことだった。ヴァン・ヘイレンはクラブ時代、本アルバムのラストトラック『メイク・イット・ラスト』をカヴァーしていた。それがモントローズのプロデューサー、テッド・テンプルマンの目に留まり、テンプルマンはヴァン・ヘイレンの最初の6枚をプロデュースすることとなる。1985年、モントローズのオリジナル・ヴォーカリスト、サミー・ヘイガーがデイヴィッド・リー・ロスに代わりヴァン・ヘイレンに参加する。彼の歌にはインパクトがあり、モントローズでは曲作りにも関わっていた。モントローズは1973年4月、KSAN FMのトム・ドナヒューがキャスターを務める番組に出演し、この時初めて彼らのプレイが広く一般に公開された。当時はまだ正式なバンド名もついていなかったが、演奏や歌は、今聴いても素晴らしい。このラジオコンサートは、本リイシューのディスク2に収録されている。(さらに詳しい情報を知りたい皆さんへの情報として、1974年12月にKSANで放送されたライヴは、セカンドアルバム『ペーパー・マネー』のリイシューに含まれることをお知らせしておく)

7. アリス・コルトレーン 『ザ・エクスタティック・ミュージック・オブ・アリス・コルトレーン・トゥリヤサンギータナンダ』

夫でジャズサックスの巨匠だったジョン・コルトレーン亡き後も、ピアニストでハーピストのアリス・コルトレーンは、ふたりに共通したスピリチュアル・ミュージックを追究し、『ア・モナスティック・トリオ』(1968年)や『ジャーニー・イン・サッチダナンダ』(1971年)などのソロアルバムを発表している。引退後は、信仰と社会奉仕に身を捧げた。1975年、コルトレーンは南カリフォルニアにヴェーダーンタ・センターを設立。90年代中頃まで、アシュラム(修養所)でのパフォーマンスや、チャントや電子メディテーションのカセット録音を続けた。本作は、俗世に発表された彼女のさまざまな音楽を集めた初のコンピレーション・アルバムだ。『至上の愛』(1965年)でジョンが追究した確実性と、空間的な電子音楽のインプロヴァイゼーションや合唱を融合し、フィールドコールや黒人教会のテスティモニーが、パーラメント・ファンカデリックやアース・ウィンド・アンド・ファイアーのハーモニーと結びつく。俗世間とは離れた場所で作られた音楽が、誰にも分け隔てなく癒しと平穏をもたらす。
Translation by Smokva Tokyo

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