米・任天堂が語る、スイッチを成功に導いたインディ・ゲームとの関係

さらにベーカーは、ゲームのアップデートを心待ちにしているユーザーのためにゲームのフォローアップをもっと向上させる必要があると、任天堂が承知していると言う。「以前に発表したコンテンツを知りたい人が多いのですが、これはまだリリースされていません。今後、新たな情報を加えて復活させる予定ですので、以前よりも良い形で行えるはずです。2017年のGDCで行った最初の"ニンディーズ・ショーケース"で紹介したゲームの中で、まだリリースされていないものがありますから」

これからリリースされるサードパーティー・タイトルとインディ・タイトルで任天堂はあふれかえっている状態だが、企業内のゲーム開発に関しては封鎖体制を維持している。この方法は、システムに加えるもの、加えないものの判断を任天堂が一気に引き受ける状況をつくり出すために有効なのだ。

「このキュレーションは必要に迫られて行っています」とベーカー。「ゼロからプラットフォームを開発して、基礎構造を構築し、これがデベロッパーにとってポジティヴな体験となるように細心の注意を払いました。また、その頃は開発キットやハードウェアが足りないという問題にも対処しないとダメでした。そのため、これらの問題を解決するためにしっかりとした計画を立てなくてはならなかったのです」

個々のタイトルを自社で判断する作業として始まったキュレーションが、現在ではパブリッシャーやデベロッパーとのパートナーシップを判断するスタイルに変わっている。と、ベーカー。「パートナーとなったパブリッシャーやデベロッパーが素晴らしい体験をすると確信しています」と言う。

そして、彼は「我々は開発の扉を開く予定です」と加えた。しかし、いつ扉が開かれるのかは決まっていない。「まだコンテンツの流れを探っている最中ですので」ということだ。

任天堂がキュレーションを通して期待していることは、Switchを気に入る新たなユーザーを開拓することである。

「来年(2019年)ユーザーが増えるのは自然の流れだと思います」とベーカー。「任天堂は子供や家族を対象にしたマーケットで非常に優位な立場にいることで広く知られていますが、その一方でゲーム・マーケットの核となる活発なゲーマーが多くいる層が弱かったわけです。Nintendo Switchによって、この部分の購買層も獲得できました。今後の見通しとしては、M指定(17歳以上)のゲームであれ、オートメーション化したダンボール製作プロジェクトであれ、誰でも楽しめるコンテンツを充実させたいと考えています」と、将来の展望まで語ってくれた。

Translated by Miki Nakayama

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