大人気ガールズグループSistarのメンバーだったヒョリンは今回紹介するアーティストの中で最も経験値の高いヴォーカリストだが、ソロとしてはスタートしたばかりである。2017年にグループが円満解散し、ソロとして再出発した彼女は、これからが本領発揮だろう。音域の広さとSistar時代の健康的なセクシーさを強調した楽曲で知られているヒョリンだが、現在、個人レーベルbride(表記はbrídʒ)からのリリースを準備中だ。ソロになって最初のリリースは「To Do List」で、元カレを忘れようとわざと忙しくする女性の気持ちを歌いつつ、彼女の色とりどりの歌声を存分に披露している。この曲の次にリリースされたセクシーな曲「Dally」では、久しぶりに現れて、よりを戻そうとする元カレを冷たくあしらう女性になりきって歌っている。ヒョリンは以前と変わらず明るく輝いているが、パワフルで魅惑的な彼女らしいコリオグラフィーこそが彼女の真骨頂だ。
彼らは小学校を卒業したばかりの少年たちだが、13歳のJo Woochan、Park Hyunjin、Achilloの3人は彼らの2倍の年齢のラッパーよりも大胆なラッパー集団だ。最新シングル「OGZ」はヒップホップ用語のOG(original gangsta)と、韓国語の“見事な”や“才能がある”という意味の「オジダ」をマッシュアップした造語で、自分たちがどれだけ並外れているかを大胆にラップしている。Jo Woochanは『Show Me the Money』というTVのラップバトル番組に出演し、自分よりも年上のラッパーや、番組のバトルで勝ち続けているラッパーを見事に負かした経歴を持つ。Park Hyunjinは、アメリカのオーディション番組『アメリカン・アイドル』の韓国版とも言えるテレビ番組『K-pop Star』の最終シーズンに出演した。これはエンターテインメント会社3社が次世代のアーティストを発掘する番組だった。ただ、Achilloだけは他の2人とは違って、リアリティ番組の出演経験は一切ないにもかかわらず、彼のラップ・パートでは一番バイト(他人のラップや詞を無断で真似ること)が多い。彼のラップは非常に攻撃的で、ソウルの若者街である弘大の苦悩するラッパーたちを「息を吸ったり吐いたりしているだけで、ラップしていない」と辛辣に非難している。この3人の少年ラッパーの見た目は非常に愛らしいが、彼らの書くラップは悪意に満ち、10代の少年にしか出せない虚勢でそれを吐き出している。