2018年、ローリングストーン誌が選んだK-POPアーティスト10組

6. LOONA(今月の少女:イダレソニョ)

想定外のデビュー戦略が奏功し、このガールズグループLOONAは既に世界規模でたくさんのフォロワーを獲得している。2016年10月以降、毎月シングル曲とMVと共にメンバー1人の姿を解禁する戦略を実践したのである。HaSeul(ハスル)のドラマティックな「Let Me In」からYeoJin(ヨジン)のキュートで演劇風の「Kiss Later」、KimLip(キムリップ)の感情を抑えた「Eclipse」など、LOONAのメンバーは曲においても、キャラクターにおいても、その幅広さを証明している。メンバー自身のストーリーも盛り込みながら、彼女たちだけの“ルナバース”を慎重に構築し続けているが、これに刺激されたオンラインの研究グループが、彼女たちのMVを分析して、グループ内の人間関係を探っているらしい。また、米テレビ番組『ル・ポールのドラァグ・レース』でお馴染みのキム・チまでもがLOONAへの愛情をほぼ毎日ツイートしている。12番目のメンバーのOlivia Hye(オリビア・へ)が姿を表したのが2018年3月だ。彼女のシングル曲は「Egoist」。この曲はGo Won(ゴウォン)の自己愛アンセム「One & Only」に漂っていた雰囲気を引きずりつつ、クラッシュするシンセ・サウンドが別れの後の再生への誓いを強調している。そして、この曲でLOONAがこれまで作り上げたルナバースを拡大しているのだ。

7. Momoland(モモランド)

K-POPに徐々に慣れたいと思っている人には、エネルギッシュなガールズグループMomolandがオススメだ。茶目っ気がありながらも、9人のメンバーそれぞれのユニークさや斬新さがブレンドされているのだ。BTSファンであれば彼女たちの最新曲「BBoom BBoom」のベース・ラインにBTSの「DNA」との共通点を感じることだろう。テレビショッピングを模倣したMVではお茶目さを前面に押し出して、化粧品からソフトドリンク、はてはラバーカップまで売り、途中にサプライズのラップまで入れ込んでいる。熱心さと大げさなリアクションは本物の通販番組も真っ青だ。今年こそ、世間はMomolandが売ろうとしているものをやっと買ってくれるかもしれない。

8. NCT

ネオ・カルチャー・テクノロジー(Neo Culture Technology)の略、NCTはSMエンターテインメントの未来のボーイズグループだ。構成人数18人(今のところは)のNCTはSMで一番野心的なプロジェクトで、世界へ向けて羽ばたくグループとして作られている。このグループのフルラインナップが4月にシングル「Black on Black」で公開された。とは言え、彼らはこれまでに少人数のサブユニットで音楽をリリースしている。サブユニットにはセクシーなNCT U、荒くれ者的なNCT 127、年少者だけで組んだNCT Dreamがある。このNCT Dreamが最初にデビューしたグループで、世界征服に向けた第一弾だった。また、NCT UメンバーのTenとTaeyongにスポットを当てた最新曲「Baby Don’t Stop」では、彼らのリーダー的存在感を確認できる。巧妙なベースライン、Taeyongの自信満々なラップ、Tenの官能的な歌声が非常に魅力的なパフォーマンスを作り上げているのだ。SMは今後も世界各国の都市でメンバーを見つけてNCTに加えていく方針だ。

9. Oh My Girl

ドリーミーなガールズグループOh My Girlは、2015年に明るく快活な「Cupid」でデビューし、それ以降シングルを定期的にリリースしている。ここ2年間、さまざまなスタイルに挑戦してきた彼女たちは、2018年初めにリリースされた「Secret Garden」でポップ・グループとしての自らの立ち位置を再認識したようだ。しかし、彼女たちの最新シングル「Banana Allergy Monkey」は、前シングルの優雅な明るさを危険なまでにイカれたキュートさへと変貌させた。可愛さとおバカさがマッチしたコリオグラフィーで、不幸なアレルギーを持つサルの話を歌っている。子供番組に受けそうな曲だが、今年の夏の定番曲になりそうな一曲でもある。

10. Samuel(サムエル)
韓国人とメキシコ人のハーフであるシンガー兼ダンサーのSamuel Kim Arredondoは、11歳の頃からK-POPスターを夢見てトレーニングを続けてきた。短命だったヒップホップ・デュオ1Punchの前にポップ・グループSeventeenと一緒に練習を行っていたが、本格的にブレークしたのはオーディション番組『プロデュース101』の第2シーズンに出演したときだった。オーディション中、常に力強いパフォーマンスを見せつけ、観客の投票では常に高ランクを維持したのである。サムエルは最終グループに確実に残ると皆が思っていた。しかし、最終ラウンドで彼は18位という予想外の結果で落選する。その後、早々に立ち直った彼は、落選直後に16歳で「Sixteen」という曲でソロデビューを果たした。彼が提供するパフォーマンスはどれもこれも「滑らか」の一言に尽きる。彼のダンス、物怖じしない歌詞、髪の毛のツヤさえも滑らかなのだ。

Translated by Miki Nakayama

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