「魔女狩り」開始から1年、米大統領選トランプ陣営とロシアとの関係調査の現状

トランプと彼の弁護団は、ミュラーが繰り出すどんなパンチにも耐えられるという自信を持っているようだ。捜査が続く限り、捜査の正当性を失わせようとするしつこい努力も続く。5月17日朝、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された捜査の発端に関する記事から、魔女狩りチームに関するある事実が明らかになった。同紙による複数の当局者への取材によると、大統領選前、トランプ陣営の顧問がロシア政府の少なくとも1人の情報提供者と複数回接触していたという。FBIは、カーター・ペイジ、ジョージ・パパドプロス、さらにマイケル・フリンらロシアとの関係が深いトランプ陣営のスタッフを対象とし、同政府との共謀の有無を捜査している。“クロスファイアー・ハリケーン”と名付けられたFBIによる捜査は、ワインに酔ったパパドプロスがオーストラリア大使へ、トランプ陣営がロシアによる介入の情報を事前に掴んでいたことを漏らしたことがきっかけだった。この事実をFBIが重要視したことで捜査が始まった。

タイムズ紙の記事はさらに、ペイジ、パパドプロスと情報提供者との重要視されている接触が“政治的な争点”とされた経緯や、トランプ陣営が主張する、FBIから自分たちに対するスパイ行為や陣営幹部を罠にはめようとしたという疑惑についても触れている。

これをきっかけにFOXニュースとトランプの取り巻きは、より激しくFBIを攻撃し始めている。ジュリアーニは“米国史上最大のスキャンダル”と表現し、「捜査全体の違法性について争っていく」と述べた。さらに彼は、「FBIがトランプを陥れようとしていることを示唆している」と主張したが、“示唆”という言葉に過度な意味を持たせようとしている。

トランプもジュリアーニに呼応し、“ウォーターゲートよりも深刻な事件”になり得るとツイートした。






ワオ! オバマ政権時代のFBIが「スパイを送り込んでトランプ陣営を監視していた」という話が出てきている。アンドリュー・マッカーシーは「FBIが陣営内に少なくとも1人の情報提供者を送り込んでいたことは疑いないだろう」と述べている。もしこれが事実なら、ウォーターゲートよりも深刻な事件だ!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) May 17, 2018

FOXニュースの中でマッカーシーは、「FBIの行為は対敵スパイ活動にあたり、明確な(ロシア政府との)共謀の証拠がない限り、トランプ陣営を監視すべきではなかった。それよりもFBIは、ロシアの方を捜査すべきだった」と主張している。しかし特に、自国の大統領選挙に対する外国からの敵対的な介入の可能性を示す情報を得た場合など、対敵スパイ活動に対する捜査はFBIの任務のひとつである。上院情報特別委員会のマルコ・ルビオは、今回の件について、「ある外国政府が我が国の大統領選挙のプロセスと討論に介入しようとしていた、という証拠が集まってきた。そしてFBIの仕事は対敵スパイ活動を捜査すること。これがここまでの事実だ」との見解を示している。






@AndrewCMcCarthy:「FBIは、ヒラリー・クリントンの時のように、トランプに対して捜査を開始するだけの確たる犯罪の証拠を得ていない、というのが事実だ」
— Fox News (@FoxNews) May 17, 2018

Translated by Smokva Tokyo

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