ー最初にファッション雑誌にモデルで出たのは『Fine』?当たり前じゃないですか(笑)。スゲエ短い短パンを履いて出た気がする(笑)。あの当時のバンド、みんな『Fine』デビューじゃないですか。
ーそうかもしれない(笑)。『Fine』に出れたのがうれしかったんですよ。いとこがプロサーファーなんで、『Fine』が身近にある雑誌だったんです。
ーあの辺りから、バンドとファッションがクロスオーバーする波が来ましたよね。来ましたね。そこからやっぱりDEVILOCKからじゃないですか。俺は恵比寿で弁当屋のバイトしてたので、みんなに弁当運んで、Tシャツをもらえたりしたんです。すごく覚えているのは、MACKDADDYが事務所を開いた頃に、アウターをくれたんですよね。あれは本当にうれしかったですね。
ー当時短パンを履いてたところから、黒を着る今のスタイルに変わっていった流れは?流行が分かんないですよ。好きなものだけ着ようと思ってたら、黒しかなくなっちゃったんです(笑)。気づいたら全部黒。でも黒って廃らないじゃないですか。だからいいかなと思って。そしたら周りのメンバーとかもみんな黒になってきて。
ー今、自分が服を選ぶポイントっていうのは?この前子どもの七五三があって。トム・フォードのシャツとネクタイを買ったんですね。俺、高いものを作ってるところは、消費者を騙すいけないヤツらっていうイメージがあったんですけど、そうじゃなかった。高くても良いものは良いんだなあって納得しました(笑)。だから、ただ単に実用的に着るだけじゃなくて、少し服を楽しむのもいいのかなって思い始めて。今日も撮影でいろいろ着せてもらったから、あの当時の「あれ、俺似合うかな? でもどうしようかな?」っていうワクワクがよみがえりましたね。ちょっと冒険してもいいかなって思いました。
ー黒以外を着てみようとか。最終的に半ズボンに戻るかもしれないですけど(笑)。自分には大した洋服のセンスがないので、あの当時、周りがそうやって着せてくれたし、持ち上げてもらったところもあって。でも、服うんぬんよりも、自分が服の中身としてそれを受けられる人間になりたいって、途中から思い始めて。外見じゃなくて中身に行きたくなったというか。服に着られるんじゃなくて、この服が似合う男になりたいというか。でも、20代から30代前半にかけてのファッションと音楽のカルチャーの連動の時代を知っているので、ワクワクしますよね。
(Photo = cherry chill will. Styling = Masahiro Ogura Hair & Make-up = Mikiko Kimura)
ー当時、自分でブランドをやろうとは思わなかったんですか?一瞬やったんですよ。REVOLVERの中で「suiseeda」というブランドを。あの当時、スポーツ・ブランドみたいなのがなくて。裏原宿だけどジャージとかあったら面白くね?とか言って作ってたんですよ。
ー今仲良くしているブランドは?VIRGOですね。
ーSÏVAのファッション・ショーにも出演しましたよね。
しましたね。
SÏVAは洋服が面白いし、アイデアもスゴいですよね。毎回見てても面白いし。