ジョン・ライドンが語る、PiL40周年と2018年の社会

自分を貶めようとする人間に対して、横柄さというのは実に美味しいツールだ

―今度リリースされる(編注:日本盤は7月20日)『ザ・パブリック・イメージ・イズ・ロットン(ソングス・フロム・ザ・ハート)』というボックスセットも楽しみです。

ジョン:本当に巨大な箱で申し訳ないと思ってるから、先に謝っておくよ(笑)。

―はい、でしょうね(笑)。同作のサブタイトルを敢えて「Songs From The Heart」と強調したのは、ユーモアでありシリアスでもあると思うのですが。

ジョン:ああ、あれは「真面目にウィットに富んだ」副題なんだ(笑)。


ボックス・セットに収録される「Warrior」のライブ音源

―では、その真面目さ、心から生まれる正直な面について話していただけますか?

ジョン:だけど、やっぱり正直になるものだろう? じゃない? 真実を語る機会を手にすることができたのなら、それはがっちり掴まないと。それこそ俺の音楽に対するアプローチの仕方なんだよ。たぶん、セックス・ピストルズ以来俺はずっとそうやってきただろうし、それは真実を誠実に語ることだ、と。そりゃもちろん、若かった頃は俺もエゴの問題を抱えていたけれども、若い頃はみんな誰だってそうだろ? ただ、そこからやがて強み/取り柄は何なのかを学んでいくし、それらを正しく使うようになっていく、という。その矛先を自分自身に向けるのではなくて、自分が授かったもの、他の人々とシェアできるギフトとして利用していくわけだね。たとえば、自分をケナし貶めようとする人間に対して用いるのに、横柄さというのは実に美味しいツールだしね(笑)。

―ええ(笑)。

ジョン:だろう? だから、これは俺が何年も使ってきた表現だけれども、「言葉が俺の弾丸なんだ」と。ということはつまり、俺は絶対に暴力には頼らない、という意味だけれども。

―なるほど。ではその「言葉は弾丸」に倣って――PiL40周年でのリリースということなので、あなたの言葉で、この40年を3つの単語で表すとしたら?

ジョン:どうか、共感を持ってください(Please, Have an Empathy)。

Translated by Mariko Sakamoto

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