ホイットニー・ヒューストン母、娘の虐待疑惑発覚に関して声明を発表

母親のシシー・ヒューストンとニューヨーク・シティのパーカー・ネリダン・ホテルを後にするホイットニー/1989年、ニューヨーク・シティ、ホイットニーとシシー・ヒューストン、1989年2月1日(Photo by Walter McBride/Corbis via Getty Images)

新作ドキュメンタリー映画『Whitney』で、ホイットニー・ヒューストンが幼少期に従妹から性的虐待を受けていたとの疑惑が浮上したのをうけ、ホイットニー・ヒューストンの母シシーが声明を発表した。「私の姪ディー・ディー・ワーウィックが性的虐待をしていたと聞いて、私たちがどれほどの衝撃と戦慄を受けたか、どれほど信じられない思いでいるかは筆舌に尽くし難い」

全米で7月6日に公開されたばかりのドキュメンタリー映画『Whitney』で、亡き歌姫が幼少期に従妹から性的虐待を受けていたとの疑惑が浮上したのを受け、ホイットニー・ヒューストンの母シシーが声明を発表した。

「この声明は、いかなる性的虐待を擁護、容赦、黙認するものではありません」と、ピープル誌に発表された声明でシシーはこう述べている。「私の姪ディー・ディー・ワーウィック(ディオンヌの姉)が、私の3人の子どものうち2人を辱めていたと聞いて、私たちがどれほどの衝撃と戦慄を受けたか、どれほど信じられない思いでいるかは、筆舌に尽くしがたいものがあります」

さらに声明はこう続く。「ディー・ディーと(ホイットニーに)何が起こったのか、問いただすことができたら。娘を描いた過去の作品とは違って、この映画は噂や誹謗中傷、ゴシップをまき散らし、私には答えが見つからないたくさんの問題を後に残していきました」

シシーはまたホイットニーの遺産管理団体公認の映画制作スタッフに対し、性的暴行の疑惑を遺族に隠してきたとして非難。カンヌ映画祭で『Whitney』がプレミア上映される2日前まで、遺族は疑惑についてまったく知らされていなかった。仮に疑惑が真実だとしても、娘はこんな形で世間に公表されることを望まなかっただろう、とシシー・ヒューストンは主張している。

「娘はドラッグの問題やリハビリのこと、娘クリッシーのこと、それから結婚問題については多くを語りましたが、でも、父親から財産を横領されたとか、性的虐待を受けたとかいったことを公言したことは、いままで一度もありませんでした」とシシー。「もし、万に一つでも娘が虐待を受けていたとして、決してこんな風に、何千、いや何百万という人の前に映画となってさらされるのは望まなかったと思います」

映画の中では、ホイットニーの“親友”を名乗る女性が、ホイットニーが子供のころに受けた性的虐待を打ち明けた時のようすを語っている。

「彼女は私を見上げて、『メアリ、私もなの。私も昔、虐待されたの。でもね、男じゃなくて女だったのよ』。目には涙を浮かべていました。『でも、ママはこのことを知らないの』」と、この女性は証言している。

「もし、この女性が本当に娘の“親友”ならば、彼女は噂やデマを流して、娘の信頼を裏切る道を選んだことになります」と、シシーは続けた。「ディー・ディーは個人的な問題を抱えていましたが、だとしても、彼女が私の子どもたちを虐待していたという考えは、恐ろしくて、理解できません。プライバシーへの侵害や、ディー・ディーへの嫌疑を正当化する手段として、ホイットニーの人生を詮索するのが公共の権利などという理屈は、決して容認することはできません。ホイットニーもディー・ディーもすでにこの世を去り、嫌疑を否定することも、否定も肯定も、異議を唱えることもできないのですから」

本作の監督が、ローリングストーン誌に語った制作秘話はこちら

Translated by Akiko Kato

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