カメラマン岸田哲平が見たフジロックの「ベストシーン」

─(笑)。「またとないシャッターチャンス!」と思ったのは?

岸田:アンダーワールドが初めてグリーン・ステージに出て「Born Slippy」をやったとき。やっぱり、自分が好きな曲を演奏しているアーティストを撮っている方がテンションも上がるじゃないですか。ちなみに、このときに撮った写真が『snoozer』の付録のポスターに使われました。

あと、2007年のビースティ・ボーイズも何故か全曲撮れて。「Three MC’s and One DJ」で、ミュージック・ビデオでもやっている決めポーズがバッチリ撮れたのは嬉しかったですね。もう、3人揃っての彼らは撮れないし、そういう意味でも貴重な1枚です。


2007年のフジロックに出演したビースティ・ボーイズ(Photo by TEPPEI)

─他にテンション上がった撮影というと?

岸田:2010年のアトムス・フォー・ピース。いつか苗場でレディオヘッドを観たいと思っていたので、まずはトム・ヨークだけでも来てくれて感動しました。(写真を見ながら)この表情、最高じゃないですか? まさに「トム・ヨーク、苗場に降り立つ」って感じで(笑)。 もう、「キタキタきたー!」と思いながら撮ってました。エド・シーランの「1人ポツン感」もいいですよね(笑)。この前の武道館も撮影しましたけど、すごいですよね、たった1人でやり切るというスタイル。経費もかからないしメチャメチャお得だと考えています(笑)。


2010年のフジロックに出演したアトムス・フォー・ピース(Photo by TEPPEI)

─確かに(笑)。ところで今年、ケンドリック・ラマー出ますが、岸田さんは2013年のケンドリックも撮っていますね。

岸田:ケンドリックはビョークの裏だったんですよね。ビョークの撮影はクボケン(久保憲司)さん以外NGになったので、「じゃあ俺はケンドリック・ラマー観るぜ」って行って撮ったのがこのときの写真。全然人も入っていなくて「めっちゃ勝ち組やん」って思いながら撮影してました(笑)。


2013年のフジロックに出演したケンドリック・ラマー(Photo by TEPPEI)

同じくこの年のホワイトに出たスクリレックスも今年きますよね。この舞台装置、ヤバくないですか?(笑) 今年はどんな感じになるんだろう。


2013年のフジロックに出演したスクリレックス(Photo by TEPPEI)

─やっぱり岸田さんとって、フジロックは特別な存在ですか?

岸田:特別ですね。カメラマンとしてペーペーだった頃から撮らせてもらっているし、フジロックにいろいろ教えてもらっている感じがします。それに、とにかくメディアがたくさん入るから、カメラマンやライターなど、年一で再会する場でもある。結構オフ会みたいな雰囲気というか。それも毎年楽しみにしていますね。

岸田哲平
カメラマン。広島県出身。専門学校卒業後に上京し、ライブカメラマン(自称)として活動。Hi-STANDARDとの写真展「SUNNY DAYS」を全国7都市で開催し、会場で販売されていた写真集『"SUNNY DAYS" Hi-STANDARD Photographs of TEPPEI KISHIDA』が7月19日から一般発売された。http://teppeikishida.tk/

FUJI ROCK FESTIVAL’18
期間 : 2018年7月27日(金)、28日(土)、29日(日)
会場 : 新潟県 湯沢町 苗場スキー場
http://www.fujirockfestival.com/

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