65年のボブ・ディラン秘話 第五回 ブルース禁止令が敷かれた『追憶のハイウェイ61』

1965年夏、米NYのコロンビア・レコーズのスタジオで『追憶のハイウェイ61』制作中のボブ・ディラン(Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images)

週末に迫ったフジロック。Rolling Stone Japanでは29日に出演するボブ・ディランのアーカイブを再構成し、ライブ前日まで全12回の連載記事をお届けする。第五回は『追憶のハイウェイ61』の制作舞台裏について。

ボブ・ディランは『追憶のハイウェイ61』(1965年)のセッションに参加したポール・バターフィールド・ブルース・バンドのギタリスト、マイケル・ブルームフィールドに対して、「誰がブルースをやれって言った?」と苦言を呈していたという。

ブルームフィールドは、アルバムのセッションに先立ち、ウッドストックのディランの自宅に招かれていた。ローリングストーンの取材に答え、ブルームフィールドは当時の様子をこのように振り返っている。

「ブルース弾きの俺が呼ばれたってことは、ディランがチョーキングを多用したブルースを求めていると思ったんだ。でもディランに言われたんだよ。『おいおい、誰がB.B.キングをやれって言った?』ってね」

『追憶のハイウェイ61』は初めて全編バンド演奏をフィーチャーした作品で、既存のフォーク・ソングの枠を超えた冒険作。しかし、アルバムのセッションが始まる前に、ディランの頭の中ではもう理想のサウンドが思い描かれていたのだ。



Edited by The Sign Magazine

FUJI ROCK FESTIVAL’18
期間 : 2018年7月27日(金)、28日(土)、29日(日)
会場 : 新潟県 湯沢町 苗場スキー場
※ボブ・ディランは7月29日(日)に出演
http://www.fujirockfestival.com/

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