アレサ・フランクリンのラスト・ライブ「小さな願い/I Say a Little Prayer」を見る

最後のステージに立つ故ソウル・クイーン、アレサ・フランクリン (Photo by Nicholas Hunt/WireImage)

故ソウル・クイーン、アレサ・フランクリンの最後のステージは、2017年のエルトン・ジョン・エイズ基金ガラだった。

2017年11月、アレサ・フランクリンは毎年開催されるエルトン・ジョン・エイズ基金ガラのステージに登場し、最後のパフォーマンスとなる歌声を披露した。米国現地時間8月16日に膵臓がんで他界したソウル・クイーンは、この日のステージで、1968年のヒット曲「小さな願い/I Say a Little Prayer」を含む厳選した往年のヒット曲を歌ってこのイベントのトリを飾った。

当日の彼女の歌声に多少の衰えは見えたものの、フランクリンはソウル・クイーンの名に恥じない驚異的な音域とダイナミックな歌声で観客を魅了した。大音量のオーケストラとバックコーラス陣を従えながら、フランクリンは完璧なコントロールで「小さな願い」を歌いきり、エンディングでは決して揺らがない鳥肌が立つほどのランで締めくくった。

エルトン・ジョンはInstagramに、このパフォーマンスについての投稿をした。「彼女は見るからに体調が芳しくなかったから、本当に舞台に立てるのか心配していた。しかし、アレサは歌いきった。彼女は大迫力のパフォーマンスを行ったのだ。歌も演奏も壮大なもので全員の涙腺が緩んでしまった。(その日)史上最高のソウル・アーティストを僕たちは目撃していたのだ」と。

2017年2月、フランクリンはツアーから引退する計画を発表した。しかし、その後、彼女の名前を冠したデトロイトのナイトクラブで時々パフォーマンスすることを仄めかしてもいた。2018年に数回のライブ・パフォーマンスを予定しており、ニューオリンズ・ジャズ・アンド・ヘリテッジ・フェスティバルへの参加も決まっていた。しかし、主治医の助言により、結局はこの出演をキャンセルすることになったのである。

Translated by Miki Nakayama

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