「レイプ・ミー」は様々な場面で物議を醸した。最も広く知られているのは1992年のMTV Video Muaic Awardsで、バンドが同曲を演奏すれば放送を中止し、コマーシャルを流すと番組側から迫られたことだろう。コバーンはプロデューサーたちを挑発しようと、パフォーマンスの冒頭で同曲を数秒間演奏してから、見事なアレンジが施された「リチウム」を披露してみせた。
1990年にコバーンと出会った際に、ラヴはハートの形をした箱をデイヴ・グロールに手渡し、コバーンに渡してほしいと頼んだ。磁器の人形や乾燥したバラ等、コバーンの興味を惹くものが多数収められていたその箱には、ラヴが愛用する香水が振りかけられていた。2人のロマンスのシンボルとなったハート型の箱を、コバーンとラヴはそれぞれ多数所有していた。「ローラ・アシュレイとか、コートニー好みの女の子っぽいものと並んで、カートが集めてたカーネル・サンダースのフィギュアとかが置いてあったわ」ホールのドラマー、パティ・シュメルはCharles R. Crossにそう話している。「そういうちょっと悪趣味なものに、2人はユーモアのセンスを感じていたみたい」