中国が目をつけたノースカロライナの養豚業、悪臭は「お金の香り」

Rolling Stone Japan 編集部 | 2018/10/08 14:19

| デュプリン郡で飼育される食用豚の排泄量は1日あたり1万5700トン。ニューヨーク市民が排出する約2倍の数字だ。(Photo by Grant Heilman Photography/Alamy) |



ノースカロライナ州東部には、900万頭以上の豚が飼育されている。州内で養豚の盛んな郡のトップ5だけでも、年間1550万トンの排泄物が出ている。エンバイロンメンタル・ワーキング・グループのアナリストは、同地域に住む16万人が豚の排泄物による健康被害を受けている可能性があることを発見した。また、ノースカロライナ大学チャペルヒル校による研究によれば、被害者たちはマイノリティに偏っているという。ノースカロライナ・エンバイロンメンタル・ジャスティス・ネットワークの共同代表ナイーマ・ムハンマドは「ノースカロライナ州東部では、文字通り貧困層に糞(困難)が降りかかっている」と指摘する。

グローバリゼーションの拡大により、米国をはじめとする裕福な国々は、公害を伴う各産業のプロセスを貧困国へアウトソーシングしてきた。しかし、中国がますます裕福かつ独断的になるに従い、「中国は、汚れ仕事を米国にさせることで自国内における公害対策を不要にし、完成品だけを自国へ持ち帰ることができる」と、民主党上院議員のコリー・ブッカーは言う。米国の環境や健康が危険にさらされているだけではない。「豚の処理や繁殖などの低収入の仕事は依然としてデュプリン郡などの地方に残る一方、高収入の管理業務やマーケティングの仕事は国外へ流出してしまうだろう」と、ウエストバージニア大学で中国による米国の農業資源の奪取について10年に渡り研究してきたウシャ・ヘイリー教授は言う。「中国は、豚農場の周辺に住む人々の健康のことなど気にしないだろう。自国の利益だけを考える彼らは、公害を米国内に残しながら、高価でクリーンな豚肉だけを中国へ持ち帰ろうとしている」

仕事や才能が米国の各都市部へ集中する一方、かつて裕福だった農村地方は、自分たちの競争上の優位性が、低収入の仕事も厭わない必死な住民と、減税や規制緩和の拡大に動く地元共和党議員にあることがわかっている。米国企業は長い間、これらのトレンドを利用してきた。“地元にとって好ましくない土地の使用”を実行するための地域を探す廃棄物処理会社向けに作成され、リークされた1980年代のレポートによると、“抵抗の最も小さな個性のプロフィール”として、“南部または中西部の田舎町の長年の居住者”、“保守的な人”、“共和党員”、“自由市場の提唱者”が挙げられている。
Translated by Smokva Tokyo

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