渡辺大知が語る、黒猫チェルシー活動休止と人生を変えた3つの出来事

「細長い黄色の箱で、ロゴは茶色。昭和レトロな字体が可愛いんです。気に入ったマッチ箱は、部屋に置いてあります。“飾る”ほどのことでもないんですけどね」と渡辺。CDやDVDなども、気に入ったものだけを厳選し、目に見えるところに置いておく。最近どれを聴いて、しばらく聴いてないのはどれなのかが一目でわからないと落ち着かないそうだ。洋服にしても、「自分に合ってないな」と思うと売るなどして、常に「スタメン」だけを揃えている。

「“これ、ちょっと違うなあ”というものを、手元に残しておきたくないんです。部屋の中はモノだらけで散らかっているけど、そういう意味での“整理”は細かくしているほうかな」棚やカーテンなども、部屋のサイズに合わせて自作している。既製品をなんとなく買ってきて、「合わないな」と思いながら使っているのが我慢できないそうだ。オリジナリティにもこだわっており、友人を部屋に招いたときに「あ、俺もそのテーブル使ってるわ」などと言われるのは「悔しい」らしい。「自分にあった場所」、「自分らしくいられる空間」。そんな場所を、手間をかけても作り出そうとする渡辺。ひょっとしたら、音楽と映像を行き来する彼のユニークな活動も、「自分に合った場所」を探すための手段なのではないか。

「あ、確かにそうですね。いろんなやり方があっていいと僕は思うんです。自分に合った表現、自分らしい表現を求めていたら、自分にとっては音楽も映像も不可欠だった。音楽だけではいられなかったのだと思います。決してネガティヴな意味ではなく、振り子のように行き来してバランスを取っているというか。それが自分に合っているから、そうさせてもらってるんですよね」


Photo = Tsutomu Ono

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