渡辺大知が語る、黒猫チェルシー活動休止と人生を変えた3つの出来事

ところで黒猫チェルシーは、今年9月をもって活動休止となった(インタヴューは9月初旬)。今後しばらくはソロ活動を視野に入れていくという。「それこそ俯瞰の目で黒猫を見たい」と渡辺は言う。「黒猫チェルシーは、リーダーがいてその人が引っ張るというバンドじゃないんですよね。力のある演奏家たちが集まっているだけに、各々のやりたいことがだんだん明確になってきて。まずは力試しをしたいという時期に突入したというか。次に黒猫はどんなことをやったら面白いのかが、正直今は見えてないからこそ、それを明確にしたいという気持ちもあって。それで、思いきって休止を選びました」

今後、渡辺自身はどのような活動を展開していくつもりなのだろうか。ズバリ尋ねてみると、「しばらくは、俳優業が増えると思います。実はソロ制作も進めているところなので、そのうち何らかの形で発表したい」という答えが返ってきた。今は曲作りが「楽しくて仕方ない」という。

「今までメロディを先に作って、そこに言葉を当てはめていたのだけど、歌詞を先に書くようにしたら、言葉がどんどん出てきちゃって。文字量が倍くらいあるので音楽性もガラッと変わるかもしれない……ラップとか(笑)。役者の仕事も勉強になることだらけで、アウトプットしつつめちゃくちゃインプットしてるんです。それが音楽にも還元できたらいいですね」


Photo = Tsutomu Ono

おそらく、最初から「自分らしさ」や「自分に合った場所」を持つ人なんて、どこにもいないだろう。宇宙に一人ぼっちだったら、そもそも自分らしさで悩んだり、自分に合った場所を探したりする必要がない。他者がいるから自分を意識するし、他者の目を通して自分を知ることになる。渡辺が音楽と映像を振り子にしながら表現しているのも、そうやって他者の中で自分を形作っているのかもしれない。


渡辺大知
1990年生まれ、兵庫県・神戸市出身。ロックバンド「黒猫チェルシー」のヴォーカルであり、俳優・映画監督としても活動中。黒猫チェルシーは9月末まで全国4都市を巡る『TOUR 2018 黒猫の恩返し』を行った。俳優としては現在テレビ東京ドラマ『恋のツキ』へ出演中。今秋は映画『寝ても覚めても』『ここは退屈迎えに来て』『体操しようよ』に加えて、主演を務める『ギャングース』まで、映画4作品の公開が続く。


11月23日公開映画「ギャングース」
高杉真宙、加藤諒、渡辺大知(トリプル主演)、他
入江悠監督作品
http://gangoose-movie.jp/


撮影ロケ地協力:ONE THE DINER
〒141-0021  東京都品川区上大崎1-1-14
トーカン白金キャステール1F
TEL:03-6455-7588

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