ア・ウィークエンド・イン・ザ・シティ

セレブになりたがる二流のポップスターは星の数ほどいる。ブロック・パーティのヴォーカリスト兼ソングライターであるケリー・オケレケは一流を目指すべきなのに、セレブを気取って贅沢なライフスタイルについて苦々しく歌ってみたところで、何も新しさが感じられない。おまけにこの作品には、はっきり言ってまったく良い曲がない。オケレケの歌そのものは圧巻だし、プロデューサーの仕事もしっかりしている。それに、もともとこのバンドの音楽性はビートが主体。だからキャッチーさを売りにしているわけではないのだ。前作では同じ世代に共通するフラストレーションを叫び上げて聴き手の心をつかんだのに、今作のバンドの音はまるで「まともなコーラスメロディも必要だ!」と叫んでいるかのようだ。

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