この北アフリカのバンドが生み出すコズミックで混濁したグルーヴは、まるで人の手に負えない砂嵐のようだ。アコースティック寄りの本作におけるTV・オン・ザ・レディオのトゥンデ・アデビンペやウィルコのネルス・クライン、ダーティー・ダズン・ブラス・バンドのメンバーといったよそ者たちは、それがよくわかっている。その音楽はティナリウェンのエレクトリックな作品よりも優しく、ゲストたちの力を引き出す。彼らの故郷トゥアレグでの闘争のもとでは、沈黙は憂鬱を深めるだけだ。

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