耳なじみのよいサウンドがはびこる日本のロック・シーンにおいて、サカナクション山口一郎の異物感と言語感覚は、頭ひとつ抜きん出ている。DFA周辺を中心としたダンス・ロック勢やミニマル・テクノを飲み込みつつ、あくまでも日本語のポップ・ミュージックとして大衆に届けるその技量は、さすがと言うしかない。完成までに8カ月を要したという「エンドレス」は、そのエピソードにもうなずける、集大成的な作品。野心的な姿勢と楽曲は、レイ・ハラカミとコラボレートしていた頃のくるりを思わせる。

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