強烈なギター・ノイズ・デュオが、最高にイカしたロック・バンドになれるだろうか? もちろん、スレイ・ベルズならそれが可能だ。ギタリストのデレク・ミラーとヴォーカリストのアレクシス・クラウスは音楽オタクで、彼らの形成期の経験は、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインやスレイヤーのレコードに彩られていた。スレイ・ベルズは2010年のデビュー作『トリーツ』で成功したが、『レイン・オブ・テラー』はもっとノイジーで、愛らしくて、そして淫らだ。彼らは誇らしげでケンカ腰な生意気さをヘヴィに加工されたギターにもたらしたが、現在の彼らはそうしたビッグなサウンドを取り除いて、どんなイタズラができるのか試しているようだ。

『レイン・オブ・テラー』は、その漫画のように過剰にモジュレートされた限界ギリギリのギター・サウンドで、あなたを打ち負かす。しかもそれは、クラウスがミラーの速弾きに合わせて「敵ども、ひざまずけ!」と命令する、スタジアム・ロックのパロディで幕を開けるのだ。「デーモンズ」は70年代初期のブラック・サバスへのオマージュで、スレイ・ベルズは心からノイズに恋しているようだ。 彼らが“ティーンエイジ・メタルヘッズ”に敬礼している時でさえ、子供たちは“お気に入りのバンドを通して手を握っている”のだ。滑稽なほど猥褻な「クラッシュ」の歌詞は冗談ではない。たとえ“破壊”が、あなたの鼓膜に対してミラーがしようとしていることを意味しているのだとしても。

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