映画に感化されてボブ・ディラン熱が高まっている人も多いだろうが、であれば英国の“吠える吟遊詩人”ことビリー・ブラッグの音をスルーするのはよろしくないだろう。ディランの手法を伝統的なイギリス民謡に翻訳した音は、スピーカーから高らかに響くというよりは、聴き手の顔を覗き込みながらそっと爪弾かれるように響く。もはや若くない自分を静かに見つめつつ、その鏡の向こうにはリアルな世界情勢が広がっている。英語が聴きとれる人なら深みは何倍にも増すのだろう。あのロバート・ワイアットもゲスト参加した、6年ぶりのレーベル移籍第1弾。

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