第2次ブリットポップ・ブームのバブルの真っ只中にデビューしながら、セカンドでシリアスさをグッと増して本格派に転身してみせたロンドン出身4人組の3作目。もともとキュアーやギャング・オブ・フォーら80年代前半の色濃かったニュー・ウェーブ勢の影響に加え、今作では90年代前半のテクノ/ビッグビートを彷彿とさせる打ち込みサウンドが耳に残る。もはやロックとは言いがたいナンバーが半数を占めるが、ケリー・オケレケの悲痛な歌声はそれらの曲をロックにぎりぎりつなぎ止めている。そのスリリングさこそが本作最大の魅力だ。

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