レイヴ・オン・バディ・ホリー ~バディ・ホリーへ捧ぐ

1959年の2月に、バディ・ホリーが飛行機事故で死んだ時、彼はまだ22歳で、57年の秋にクリケッツを従えて放ったデビュー・シングルの「ザットル・ビー・ザ・デイ」が1位を記録して、スターになったばかりだった。けれどもその間に、ホリーは経験に基づく素直な欲求や、フェンダーの弦とカントリー・ブルースの楽しさが詰まったポップなフックの魅力によって、先駆的な作品を数多く残したのである。ポール・マッカートニーと、元ホリーズのグラハム・ナッシュが魅力的なトリビュートを発表したのも、驚くことではない。マッカートニーはまるでハンブルク時代のビートルズのように「イッツ・ソー・イージー」ではしゃぎ回り、ナッシュは「レイニング・イン・マイ・ハート」で、フォーク・ロックのきらめきと、憂鬱な午後の溜息のバランスを巧みに取っている。しかし本作にはあと17曲も収録されていて、少なくとも6曲は余計だ。出来が良いのは最もストレートな曲か、最も奇妙な曲のどちらかだが、パティ・スミスによる「ワーズ・オブ・ラヴ」のスローで取り憑くような再解釈は、本作における最も忠実な敬意の表れだ。彼女はその曲を、かけがえのない願いのように届ける……ホリーがそれを書いたのと同じように。

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