ガンズ・アンド・ローゼズのクレイジーな瞬間50選(前編):1985年〜1989年


1989年8月:「ワン・イン・ア・ミリオン」、人種差別的・同性愛嫌悪的中傷で世界に衝撃を与える
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Photo by Robert John

ティッパー・ゴア、ボーイ・ジョージ、アーセニオ・ホールなどの有名人がそろって「ワン・イン・ア・ミリオン」を糾弾した。事実、ショーン・ペンが擁護した以外、誰もがこの曲を非難した。「ワン・イン・ア・ミリオン」の歌詞は不適切な内容は否定できない。歌詞の一節でアクセルは“ニガー”と呼ばれる集団に“うせろ”と吐き捨て、“移民やオカマ”は“リトルイランを築いたり”“やばい病気を広げたり”するために“俺たちの国へ来る”と主張した。その上、ローズには非常に挑発的な瞬間をさらに挑発的な方法で説明する才能があった。人種差別発言については、「黒人同士が“ニガー”って呼び合ってるのに、なんで白人が同じ言葉を使うと急に差別だって騒ぐんだ?」と、性差別表現については、「ホモセクシュアルに何度かひどい目に遭わされたんだ。(略)(でも)俺に害が及ばなければ、やつらが何をしてもかまわない」と話した。また、『GN’Rライズ』のジャケットに「この曲の内容は非常にシンプルで、ごく世間一般なものです。気分を害される方がいたらお詫びします」と、謝罪にならない謝罪を掲載した。


1989年8月27日:イジー、飛行機内でのトイレトラブルで逮捕される
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Photo by Mark and Colleen Hayward/Getty Images

ロサンゼルスからインディアナポリスへ向かうフライトで、リズムギターのイジー・ストラドリンが機内調理室で放尿した。「年寄りどもの真ん中で飲んでたんだ。タバコを吸ってたらスッチーが注意しに来たから、“失せろ”って言ってやったよ」と、イジーは語った。「相当飲んでたから、小便が我慢できなかったんだ。トイレには先客がいてさ…1時間は待つと思ったよ。だから、ゴミ箱に用を足したんだ」 - フェニックスで、イジーは待ち構えていた警察官に、禁煙エリアでの喫煙、搭乗客への卑猥な仕草、およびスチュワーデスに吐いた暴言による公序良俗違反の容疑で逮捕された。「到着したと思って外に出たら、おまわりが10人もいてさ…“ゲッ! またやっちまった”って感じだったな」 


1989年8月28日:アクセル、日本でホテルの部屋に閉じこもり、数日間誰とも口を利かない
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Photo by L. Busacca/WireImage

アクセルには躁鬱の気があり、遅刻の常習犯で、何の前触れもなく出て行ったりルールを破ったりすることで知られている。ストラドリンが飛行機で起こした騒動がまだ尾を引いていた日本ツアー中、気難しいリード・ヴォーカルはホテルの部屋に閉じこもり、数日間誰とも口をきこうとしなかった。『ガンズ・アンド・ローゼズ「生きた伝説」』によると、アクセルは自分で頼んでおきながら、指定した時間に起こしにきたスタッフが気に入らないと言って容赦なくクビにしたという。


1989年9月6日:ヴィンス・ニール、MTVビデオ・ミュージック・アワードでイジーに殴りかかる

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Photo by Mark and Colleen Hayward/Getty Images

MTVビデオ・ミュージック・アワードでガンズ・アンド・ローゼズとトム・ペティーが「ハートブレイク・ホテル」を演奏した後、モトレー・クルーのヴィンス・ニールが客席から飛び出し、イジー・ストラドリンの顔面めがけて殴りかかってきた。イジーは交わしてニールの指輪で顔を切っただけで済んだが、わだかまりは消えなかった。ニールがバンドに公開決闘を申し入れた際、アクセルはメディアを通して「ヴィンス、どれがいい? ピストルかナイフか拳か? 好きなのを選べよ。構わねえから」と言った。


後編に続く

Translation by Naoko Nozawa

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