6位『ストレイト・アウタ・コンプトン』
Photo: Jaimie Trueblood
1980年代にコンプトンから飛び出した5人のギャングスタ・ラッパー、N.W.A.を描いた作品。オシェイ・ジャクソン・Jr.が実の父親のアイス・キューブを演じ、ジェイソン・ミッチェルはイージー・Eの苦悩をうまく捉えている。そしてN.W.A.が「Fuck the Police」を演奏しはじめると、見る者を不安にさせるような危険さが、F・ゲイリー・グレイ監督によって再現されるのだ。
5位『ブルックリン(Brooklyn)』
Photo: Kerry Hayes
映画のロマンスが傑作になり得るのだとしたら、この作品がそうだ。1951年にアメリカに移住したアイルランド人の女の子の物語から、お涙頂戴の要素を取り除いてみせた監督のジョン・クロウリーと脚本のニック・ホーンビーの手腕のおかげである。21歳のシアーシャ・ローナンはすべてのシーンで輝いている。まるで魔法使いだ。
4位『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
Photo: Jasin Boland幻覚を起こさせるような傑作で、監督ジョージ・ミラーは70歳にして、今の映画業界で最も重要なアクション映画監督であることを証明してみせた。未来的なロード・ウォリアーに扮したトム・ハーディも悪くないが、主役を食っているのはフェミニスト的な存在感のシャーリーズ・セロンだ。炎と血の世界の救世主を女性にするところがミラー流なのだ。