ローリングストーン誌が選ぶ「最高のホラー映画続編」トップ20

3位『死霊のはらわた II』(1987)


ホラーとコメディを融合したフィルムメイカーはサム・ライミよりも前にいたが、彼ほどうまくやってのけた人物はいない。『死霊のはらわた II』はアッシュ・ウィリアムズ(演じるのは監督の幼なじみであるブルース・キャンベル)の物語が再び描かれ、彼が“デディッツ”と呼ばれる悪霊とバトルを繰り広げる。ホラー映画の代名詞——ゾンビみたいな敵、身震いするほどの血しぶき、森の中の山小屋——を愛情たっぷりに詰め込んだ作品だ。見覚えある描写に独り笑いしながら、チェーンソーによる愉快な殺戮という最善の方法でクリシェをぶった切っている。ライミはすでにジョージ・ロメロの低予算映画に匹敵する才能を持っていたが、このドライブイン映画の傑作は彼を虚勢を張っているようで実は賢く洗練された、切れ味鋭い“スプラットスティック(スプラッター+スラップスティック)”のニューカマーとして位置づけた。第3作の後、ライミは『スパイダーマン』シリーズを手がけるようになり(『死霊のはらわた』シリーズにもカムバックした)、キャンベルはB級映画のアイコンと呼ばれるようになった。by TG


2位『フランケンシュタインの花嫁』(1935)


俳優よりも雄弁なカツラをフィーチャーした、このユニバーサル・ピクチャーズの正統派ホラーの続編は、これまでにないほど素晴らしい設定のひとつが取り入れられている。小説『フランケンシュタイン』が絶賛されたメアリー・シェリーは、この物語にはさらに続きがあると告白。ジェームズ・ホエール監督は、フランケンシュタイン医師が生きていて、彼と同じ名のモンスターのために相棒=花嫁を作るさまを描く(“彼女は生きてる! 生きてるぞ!”)。巧妙で言葉にならないほど悲劇的な『フランケンシュタインの花嫁』は、クリエイターの比類なき才能が、グロテスクなものに真の命を吹き込んでいる。人間がこれまで見たことないほどの力を行使するキャラクターたちの物語であり、映画というものもそのひとつになり得ることを証明している。by DE


1位『ゾンビ』(1978)


『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』が(ゾンビの)ローファイ密室劇なら、この第2作はジョージ・A・ロメロ監督が野心を見せた、より凶暴かつド派手なスケールの作品だ。生き残った人間たちが再び大暴れするゾンビの大群と戦いを繰り広げるが、今回は明らかに冷笑的な含みがある。ロメロは、彼のゾンビたちによる襲撃がそれほど説明しがたい現象ではなく、むしろ不当な人間たちの潜在意識が具現化されたものだと考える(“あいつらは何だ?”とひとりの登場人物がたずねる。答えは“あいつらは俺たちだ。ただそれだけだ”)。『ゾンビ』のように郊外のショッピングモールを舞台にした映画はたくさん作られてきたが、この設定は空疎な商業社会のメタファーであり、現代における平凡な生活のありふれた疑似快楽と、日常のすぐそこに潜む不気味な恐怖を並行して描くことができる。by TG

Translation by Sayaka Honma

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