ジョニー・デップが演じたベスト&ワーストキャラクター15人


ベスト:『スリーピー・ホロウ』(1999)

相思相愛のデップとティム・バートンだけに、コラボレートも3度目となる頃には、お互いに何を求めているかはっきり分かっていた。デップが演じているのは、善良だが、やや熱意が過ぎる捜査官イカボッド・クレーン。陰鬱としたこの映画の世界観に見事に調和していて、誇張した物語のなかでも演技であることを感じさせない。映画の大部分において、彼は事件を追う立場に徹している(苦境に立たされ八方ふさがりだが、頭は切れる)。またその顔は常に、何か酷いことの訪れを予感してしまったような表情で、もちろんそれは当たっている。映画はとても「ギルバート・アンド・ サリヴァン」的だ。まるで、バートンがデップに劇場の最後列まで表情が分かるよう演出したかに見えるが、デップの尽きることない情熱がこれを奏功させている。

ワースト:『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』(2015)
ポスターには「悪名高き屁理屈男」とある。さらに付け加えるならば、その男の名は「モルデカイ」。最近の失敗作であるこの映画の主人公チャーリー・モルデカイは、貴族きどりの美術商であり、いわゆる悪党だ。上唇を一直線に覆い隠すおぞましいヒゲが特徴で、彼が何をしゃべろうとそのヒゲに目がいってしまう(それでもモルデカイの言葉に気を取られるよりマシだ。グウィネス・パルトロウに“ビスマルク号を撃沈せよ”などと言って口説くのだから)。まったく酷いヒゲの下から、デップはイギリス訛りで話すのだが、その音はまるでブランデーで泥酔しているかに聞こえる。

正直に言って、あなたはこの映画を見ていないはずだ(誰も見てはいないだろう。)だから、最も耐え難かったシーンのひとつ、モルデカイがホテルのキーカードとクレジットカードを混同して、2008年の景気後退のせいする場面のことを話しても、何のことやら分からないに違いない。もしくは、デップとユアン・マクレガーが豪華な革の椅子に腰掛け、5分間もチーズについて問答する場面のことも。つまり、見ていない人たちは自分が幸せだと思ったほうがいい。

ベスト:『ランゴ』(2011)
デップは昔から、漫画すれすれのキャラクターを演じてきた。だから、彼が大乗り気で漫画のキャラクターそのものを演じたことに(堅苦しい演技だった『ティム・バートンのコープスブライド』は除いて)、全く驚きはなかった。この映画の成功のほとんどは、ゴア・ヴァービンスキーと彼のアニメ製作チームの手腕によるものだ。彼らはキャストに、ただマイクの前で与えられたセリフを話すのではなく、実際に役柄として演技することを求めた。結果として、モーション・キャプチャー技術による全身を使ったパフォーマンスは、アンディ・サーキス並みの素晴らしい説得力をキャラクターに与えている。『ドンファン』から『アリゾナ・ドリーム』まで、過去のデップの挑戦を眺めると、声優を務めたこのアニメ西部劇のカメレオン、ランゴはこれまでの仕事とは少し趣が違うようだ。もしかしたら、デップにとって今まで演じてきた中でいちばん自分自身に近い役柄なのかもしれない。

Translation by Sayaka Honma

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