デヴィッド・ボウイの隠れた名曲ベスト10

Photo: (Photo by Rob Verhorst/Redferns/Getty)


6位『流砂』


人気急上昇中だった1971年のボウイのバラード曲『流砂』には、多くの要素が詰め込まれている。これは、アレイスター・クロウリー、ハインリヒ・ヒムラー、第二次世界大戦の二重スパイだったフアン・プホル・ガルシア、ウィンストン・チャーチルについて歌った曲だ。ボウイは、その年の始めに初めて渡米した際、楽曲のヒントを得たそうで、「事実に基づく物語とシュールレアリスム」の融合だと語っている。この曲から少しでも明解なメッセージを汲み取ろうとしても、徒労に終わる。しかし、アルバム『ハンキー・ドリー』のA面を締めくくるには最適な曲だ。1970年代、『ハンキー・ドリー』に収録された曲はほんのわずかしか演奏されなかったが、97年にはライブの定番となった。


5位『円軌道の幅』


ボウイの1970年のアルバム『世界を売った男』は、タイトルトラックが最も有名だ。しかし、熱狂的ファンならいちばん最初に収録されている8分の楽曲こそが、アルバムのベストソングだと確信している。素晴らしい原石の可能性に気づいていたボウイは、数カ月かけてじっくりと壮大な名曲に仕上げていった。初期のバージョンは、コンピレーションアルバム『デヴィッド・ボウイ BBC セッションズ』で聞くことができる。完成版で、ボウイは新しくギタリストとして迎えたミック・ロンソンとともに、真の実力をようやく世界に証明した。『円軌道の幅』は当初、それほど世間の注目を集めなかったが、2年後のジギー・スターダスト・ツアーで、ボウイは15分に及ぶ圧巻のパフォーマンスを見せた。


4位『ステイ』


『ステイ』は伝統的なロックソングではないが、ファンクまたはソウルかというと、そうでもない。この頃、ボウイはあらゆるジャンルを包括し、テレビが自分に話しかけていると信じ込むほどのコカインを摂取し、過激でユニークなサウンドを生み出していた、めくるめく時代だった。1975年秋、アルバム(『ステイション・トゥ・ステイション』)は真夜中にレコーディングされ、翌年リリースされると一部の批評家やファンを困惑させた。しかし現在では、このアルバムは紛れもない傑作と称賛されている。何十年にも渡って、ボウイのライブで重要な位置づけを担った作品であり、実際ボウイは『ステイ』をよくコンサートで演奏した。その回数は、あの『火星の生活』よりもわずかに上回る。

Translation by Sayaka Honma

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