デヴィッド・ボウイの隠れた名曲ベスト10

Photo: (Photo by Rob Verhorst/Redferns/Getty)


3位『ステイション・トゥ・ステイション』


デヴィッド・ボウイはアルバム『ステイション・トゥ・ステイション』のタイトルトラックで、「コカインの副作用なんかじゃない」と歌っている。「これはきっと愛なんだ」と。いや違う、最初の方が正しい。つまり、コカインだ。ボウイは『ステイション・トゥ・ステイション』を制作している間、大量の白い粉を吸引した。彼自身、収録中の記憶がほとんどないと語るほどだ。コカインは、多くのロックアルバムに悪影響を与えてきた(1980年代のエルトン・ジョン作品の大半を聞けば分かる)。しかし、どういうわけかボウイの脳における新たな領域を広げ、彼はコカインにのめり込みながら、この超現実的な10分に及ぶ楽曲を完成させたのである。繰り返すが、これはコカインにエネルギーを得たアルバムのなかでも例外だ。そういったアルバムは大抵の場合、オアシスの『ビィ・ヒア・ナウ』のようになる。


2位『月世界の白昼夢』


『月世界の白昼夢』は、アルバム『ジギー・スターダスト』のなかでも極めて重要な楽曲のひとつだが、実のところアルバムよりもかなり前に製作されている。ボウイはこの曲を1971年に書き、短期間だけ活動した彼のサイドプロジェクト、アーノルド・コーンズのシングルとしてリリースした。そして翌年、『ジギー・スターダスト』に再収録するため、アドレナリンとミック・ロンソンの素晴らしいギターソロをフル投入したのである。ロンソンの見せ場となるところでは、ジギーは大抵ステージから姿を消していたが、観客の多くはそのことに気づかなかった。なぜなら、彼らはロンソンのソロに魅了されていたからだ。


1位『ティーンエイジ・ワイルドライフ』


1970年代が終わりを告げ、80年代に差し掛かる頃、デヴィッド・ボウイはちょっとした焦燥を抱えていた。最新アルバム『ロジャー』が、批評面でも商業面でも失敗。ボウイが影響を与えた新世代のアーティストたちがチャートを台頭し始め、突如、自分は時代に取り残されたと感じていた。ボウイは『ティーンエイジ・ワイルドライフ』について、誰からインスピレーションを得たのか、その名前は一言も明かしていない。しかし、ゲイリー・ニューマンはそれが自分だと信じており、全くその通りかもしれない。「曲がった鼻をした大物くん、キミがニューウェイヴ・ボーイズのひとりかい?」と、ボウイは歌う。「真新しい女装をした、馴染みのやつが近づいてくる/10代の大金持ちみたいな醜さで、世界を牛耳る若手のキレ者のつもりかい」

この曲は、1980年のアルバム『スケアリー・モンスターズ』のなかにある、多くの優れた楽曲のひとつであり、「ニューウェイヴ・ボーイズ」によってボウイの地位が揺らぐことはないと証明した。ボウイは『スケアリー・モンスターズ』のツアーは行わず、1995年の『アウトサイド』ツアーまで、『ティーンエイジ・ワイルドライフ』を演奏することはなかった。

Translation by Sayaka Honma

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