60年、キースは幼なじみのミック・ジャガーと電車の中で再会する。ミックはその時、2枚のアルバムー『ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ』とチャック・ベリーの『Rockin’ at the Hops』ーを小脇に抱えていた。当時、それぞれ別のカレッジに通う学生だったふたりは、ともにブルース好きという点でたちまち意気投合する。「イギリス南東部でその辺の音楽を聴いているのは俺だけだと思ってたからね」とキースは笑う。ふたりの結び付きから生まれたバンド、ザ・ローリング・ストーンズの名前も、『ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ』に収録された楽曲『ローリン・ストーン(Rollin’ Stone)』に由来する。この2枚のアルバムの収録曲は(マディの『恋をしようよ(I Just Want to Make Love to You)』やチャックの『Let It Rock』など)、その後長くバンドのセットリストの一部となっている。