DJダヒ:ドクター・ドレー、ケンドリック・ラマーを虜にするマスター・ビートメーカー

ー まずは『ワースト・ビヘイヴィアー』について、これはあなたにとっても重要な曲だと思います。

『ワースト・ビヘイヴィアー』は思いがけない形で生まれたんだ。スタジオで作業しながら友達が来るのを待ってたんだけど、そいつはいつまでたってもやって来なかった。仕方ないから導入したばかりの新しいソフトウェアを使って、試しにビートを作ってみることにしたんだ。ブースに入って適当に音で遊んでたら、ドープなドラムビートがパッと頭に浮かんだんだ。その場ですぐに形にしたけど、それを誰かに提供しようとは思ってなかった。あのビートに合わせられるラッパーなんていないと思ってたんだよ。あんなグルーヴは自分でも聴いたことがなかったからね。でも俺のマネージャーがあのビートをドレイクに送ったら、あっという間に返事が返ってきたんだ。メロディックな曲が並ぶ『ナッシング・イズ・ザ・セイム』において、あの曲は完全に異彩を放ってる。決して特定の誰かをイメージして作ったビートじゃなかったんだよ。一緒にスタジオで作業する場合以外、俺は誰かのためにビートを作ることはしない。ただ自分がいいと思うものを作るだけなんだよ。

今後ああいうビートを耳にする機会は増えるかもね。でもすぐに真似できるようなビートじゃないと自負してる。ビートによってアプローチの仕方を変えられるラッパーは少ないよ。すごいビートを前にして、怖気付いてしまうようなアーティストが多すぎるんだ。だからビートをソフトにアレンジし直さないといけないことがしょっちゅうなんだ。


Translation by MASAAKI YOSHIDA

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