ビートルズが楽器を交換した名曲10選

『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』


ビートルズが1967年の『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』で初めて使用するまで、ジョージ・マーティンはお化けのようなキーボード、メロトロンに全く関心を示さなかった。したがって彼はこの楽器の素性について次のように語っている。「ネアンデルタール人のピアノが初期の電子ピアノを孕ませたようなものだ」。しかしその独特のサウンドは『ストロベリー・フィールズ』の象徴となった。オープニングの眠気を誘うようなフルートのファンファーレで子供の頃の白昼夢が呼び起こされる。これはビートルズが完全にサイケデリック・バンドへと変異したことを物語っている。

ビートルズはこれ以前にも楽器の変換を試みていたが、これほどの催眠効果はなかった。マッカートニーはメロトロンとティンパニーを轟かせ、レノンはアコースティック・ギターの上達への興味をピアノとボンゴで補った。リンゴはドラムのフィルインを叩き続けて曲を飾った。ハリソンはインドのハープ、スワルマンダルを下降するメロディーに忍ばせ、現実からファンタジーへと誘った。欲求不満のレノンとマーティン、そしてエンジニアのジェフ・エメリックは想像力を広げ、2つの異なるテイクをつなげて音の外科医的才能を発揮した。

Translation by Kise Imai

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