デヴィッド・ボウイの隠れた名曲20選

18 『月世界の白昼夢(アーノルド・コーンズ・ヴァージョン)
これまでに『ジギ―・スターダスト』の掴みどころがないストーリーを疑問に思ったことはないだろうか。この理解しがたい物語の理由は、収録曲の多くが、彼の頭の中で首尾一貫した構想を作り上げるずっと前に書かれたせいである。『月世界の白昼夢』のオリジナルは1971年2月、短命に終わったボウイのサイド・プロジェクト、「アーノルド・コーンズ」名義でレコーディングされた。スローな曲調でミック・ロンソンのソロは印象が薄いが、曲の核心となる部分は今も人々を惹きつける。

17 『アンディ・ウォーホル
アルバム『ハンキー・ドリー』のB面は、ボウイに大きな影響を与えた人々への賛辞が込められている。ルー・リードに敬意を表した『クイーン・ビッチ』、『ボブ・ディランに捧げる歌』、そして『アンディ・ウォーホル』はもちろん、かの有名なポップ・アートの第一人者のことである。残念ながらウォーホルはこの曲を毛嫌いし、1971年にボウイが初めて彼に演奏してみせると、文字通り部屋から出て行ってしまったという。「彼は当惑し、委縮していたんだ」1997年、ボウイは当時を振り返り述べた。「僕がこの曲で彼をけなしていると考えたのではないかな」後にボウイは映画『バスキア』でウォーホルを演じたが、既にウォーホルは亡くなった後だった。

16 『ステイ
『ステイション・トゥ・ステイション』は何度も聴かないと、その独創性が十分に理解できないかもしれない。そのせいか、ハードコアファンに熱心に支持されている一方で、にわかファンにはアルバムの存在自体があまり知られていない。収録されている曲はどれも素晴らしいが、『ステイ』はその中でも知られざる名曲だ。6分間のソウルフルなナンバーは、違法な薬物とごくわずかな睡眠によって得られた産物だろう。アール・スリックはボウイのギタリストとして幾度もレコーディングに参加しているが、その中でも最高傑作のひとつである。ボウイは1999年のライブのレパートリーにこの楽曲を復活させ、これまで以上に見事な演奏を披露した。

Translation by Aki Urushihara

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