デヴィッド・ボウイの隠れた名曲20選

9 『ルッキング・フォー・サテライト
『火星の生活』は地球外生命体を探索するストーリーではない。ボウイが『ルッキング・フォー・サテライト』でこのテーマを扱ったのはそれより後の1997年、折しも火星に生命体が存在する可能性にメディアが沸き立っていた頃だった。「僕たちはここからどこへ向かうのか」『ルッキング・フォー・サテライト』は『アースリング』でひときわ際立つナンバーだ。「はるかかなたの空に/回転しながら/白々と光る何かが見える」

8 『ティーンエイジ・ワイルドライフ
80年代になると、ボウイは自身の絶頂期の終焉に恐れを抱くようになった。ゲイリー・ニューマンのようなニュー・ウェイヴのアーティストが熱烈なファン層を獲得する中、ボウイを時代遅れと見なす人もいた。『スケアリー・モンスターズ(アンド・スーパー・クリプス)』で最高と評される『ティーンエイジ・ワイルドライフ』で、ボウイは模倣者を激しく非難し、歌詞に込められた自分の感情を隠そうとしなかった。「へしゃげた鼻の成金が君か/ニューウェイヴの少年のひとりか/最新の女装をしたお馴染みのやつ」彼は自分を「ひとりぼっちのグループ」と説明し、新しい世代を「最新の女装をしているが相変わらず古臭い」と退けている。

7 『ライク・ア・ロケット・マン
1969年の『スペース・オディティ』以降、ボウイは宇宙に関する歌を作り続けてきた。2013年のカムバック・アルバムには、『ボーン・イン・ア・UFO』、『ザ・スターズ(アー・アウト・トゥナイト)』、そして『ダンシング・アウト・イン・スペース』が収録されている。しかしおかしなことに、ボウイは明らかに優れた一曲である『ライク・ア・ロケット・マン』をボーナス・トラックに収めた。彼の多くのスペース・ソングと同様、この曲も実際はドラッグの話だ。「ウェンディ・コカイン」と落ち着きのない語り手が登場し、「決して彼女からコカインを買ったことがない」と歌う。しかし結局のところ、彼はロケット・マンのようにすっ飛ぶのだ。この素晴らしい曲は『スペース・オディティ』の失われた前編なのかもしれない。我々はトム少佐がドラッグに溺れたいきさつを知らないのだから。

Translation by Aki Urushihara

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