ロッド・スチュワート フェイセズ再結成、70歳で見つけた幸福

フェイセズに将来に向けた計画はなかったが、ロッドは、遠くない未来に最後に彼らとロードに出たいと話していた。彼は、待望のジェフ・ベックとのリユニオン・アルバムを作りたいと願っていた。彼らの元々のパートナーシップは、67年から69年の間のわずか2年だが、その間に、レッド・ツェッペリンなど多くの70年代のハードロック・バンドが登場する下地を彼らが整備したのは論を俟たない(疑念があるなら、68年の彼らの「ユー・シュック・ミー」を聞いてみて欲しい)。「嫌な感じはしなかったよ」とロッドは言う。「でもツェッペリンが自分たちの成り立ちを僕らに置いていたのは間違いないね。僕らがクラブで演奏している時に、ジミー・ペイジとピーター・グラントはよく後ろで見ていたよ」。

ジェフ・ベック・グループは、出演するはずだったウッドストックの数週間前に解散した。当時の若いロック・ファンの間ではそれほど有名ではなかったが、ツェッペリンが活動を開始した当時に戻れば、多くの批評家がその類似性を指摘していた。「この英国の最新のブルース・グループはアイディアに乏しく、その双子であるジェフ・ベック・グループは、3ヶ月前、同等とも優れているとも言わなかった」と、ローリングストーン誌のジョン・メンデルソーンは、レッド・ツェッペリンの69年のデビューについての彼の悪名高いレビューで書いている。

ベックとスチュワートは、数年前、リユニオン・アルバムへの作業を開始したが、またたくまに消滅した。「彼とプレイするのは素晴らしいよ。彼も同じように感じていると思うんだ」とスチュワートは言う。「彼はどこかへ行って山のようなデモを作った。僕も離れて山のようなデモを作った。そこまでだった。彼は僕のが気に入らなかったし、僕は彼のが気に入らなかった」

ここで彼はインタヴュー用のテープレコーダーを取りあげて、マイク部分を口の前1インチほどに近づけ、ジェフ・ベックに直接話しはじめた。「オリジナルのリフは1つもできなかったよ。ジェフ、リフだけくれないか?僕がその周りの歌詞を書くよ。ジェフ、昔の友達と俺でもう一回試してみよう。ロニー(・ウッド)がベースを弾くんだ!僕らにもっとやる気があったら、同じメンバーが集まってるんだから、ジェフ・ベック&ザ・フェイセズでツアーを組めるじゃないか。僕は両方のバンドにいたんだから。ジェフが乗らなかったら、彼に言い含めるよ」。

Translation by Kise Imai

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