ロジャー・ウォーターズインタヴュー:ジミヘンとのピンク・フロイドツアー、映画『ザ・ウォール』まで

Photo: (Jeff Siner/Charlotte Observer/MCT/Getty)


ーその『ハートランド』はもうお蔵入りなのですか。

いいや。ただし詩自体はどこかで不意に出てきたりすることはなかろう。

ーそれがアルバムなのかと思っていました。

それがある意味そうだったんだよ。こういうことなんだ。私は、ジョン・トラボルタ出演の『マイケル(Michael)』という、天使(エンジェル)についてのつまらん映画に曲を書いた。楽曲提供を頼まれたからやったのさ。とてもいい曲ができたと思っていたんだが、彼らは使おうとしなかった。

私はそこでもハートランドという言葉を使ったんだ。歌詞の最後の一節はこんな具合だ。「勇敢なアラパホ族のスウェット・ロッジの熱を冷ましたら、ライフルなどと呼ばれるものが、このハートランドをまとめあげてしまった。ねえミケランジェロ、どうして僕らはバッファローを殺すんだい? 太った野良猫に、コートや帽子や靴を作ってやるためかい? それとも、線路工事をしている腹ぺこの中国人ギャングに食わせるためかい? 」「自分の子供をバンコックのブローカーに売り飛ばした男が、カラーテレビと重役用トイレの鍵と会社の駐車スペースをもらった。ああ、ミケランジェロ、マイケル・エンジェル(Michel-ange-lo)」。こんな具合だったよ。結局レコードに入ったのかどうかも私は知らんぞ。

ーラジオドラマの脚本にはほかにはどんなことが書かれているのですか。

既成宗教に対する私の嫌悪感がたくさん書いてある。今紹介したような歌詞に似たような形で表現しているよ。たとえば「もし私が神だったら」という曲の、最初の歌詞はこんな具合だ。「もし私が神だったら、ヒトの顔の動脈を作り替えて、もっとアルコールに強くて、もっと老化に弱くしただろう。もし私が神だったら、たくさんの息子をもうけ、ローマ人にはただの1人も殺させなかっただろう。もし私が神で、権力とスタッフがいて、皆さんが賛成してくれるなら、私ならもっとうまくやれただろう」それにこんなことも書いた。「もし私が、導きと驚きを求めて外国の領空を電子の目でパトロールするドローンだったら、私なら恐縮しながら誰かの家に行くだろう。願わくば台所で女性が、パンを焼いているか、コメを炊いているか、骨を煮込んでいるところがいい。もう休みなさい、エルサレム。あなたの重荷を下ろすのだ」

ーそれはいつ公開されるのでしょう。

わからない。私は本当に若い人のことを心配しているんだ。何でもかんでも盗み出そうとするSpotifyやPandoraといった海賊どもがうようよする中を、どうやって生き延びていけばいいのかね。難しい時代になったものだ。そしてヤツらは、「これは公共サービスなんです。正しいことをしているんです」などときれい事を言っている。違うぞ、あれは盗みなんだ。泥棒だ。ミュージシャンが音楽で生計を立てようとがんばっているときに、その子供の口から食べ物を取り上げているのと同じことだぞ。1回のストリームの支払は100分の1か1000分の1セントだ。ひたすらにアホらしい。

Translation by Kuniaki Takahashi

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