エルトン・ジョンの隠れた名曲ベスト10

第3位 『葬送〜血まみれの恋はおしまい』


エルトン・ジョンは、自分の葬儀で聞きたい曲をイメージし、この心に残るインストゥルメンタル曲、『葬送』を作曲した。そしてこの曲は、とても良い流れで次の『血まみれの恋はおしまい』につなげられている。エルトンは単純にこの2曲を組み合わせ、『黄昏のレンガ路』のオープニングにした。ドリーム・シアターやガンズ・アンド・ローゼズのメンバーなど、ハードロック界にはこの曲のファンが多い(この曲の影響無くしてアクセル・ローズが『ノーヴェンバー・レイン』を書き上げられたとは思えない)。『葬送』はエルトンのコンサートのオープニングを何度も飾ってきたが、2015年の夏には『あばずれさんのお帰り』に変更された。隠れた名曲にしては有名すぎると言う者もいるかもしれない。1970年代にはラジオでもよくかけられ、ライブでも繰り返し演奏され、エルトンのスタンダードとなった。しかし、シングルにはなっていないのでカジュアルなファンは恐らくこの曲の存在を知らないだろう。グレーゾーンではあるが、隠れた名曲の端の方には入るだろうと判断した。


第2位 『ティッキング(母さんの言葉) 』


14人の死者を出したクイーンズのバーでの銃乱射事件は、通常のポップ・ソングのテーマにはなり得ないが、エルトンとバーニーはどうにか上手く『ティッキング(母さんの言葉) 』を作り上げた。この物語はゆっくり展開する。学校では成績の良い「極端に静かな子」がある日豹変し、バーを襲撃する。その後、外に出たところを警官に撃たれる。このような事件は、1974年当時は珍しかったが、悲しいことに最近では頻発している。


第1位 『モナ・リザ・アンド・マッド・ハッター』


エルトンとバーニーは、1972年のアルバム『ホンキー・シャトー』の曲作りを始めた頃にはアメリカの土を踏んでいた。2人はニューヨークで生きる難しさを指摘しつつ、大都会への愛を『モナ・リザ・アンド・マッド・ハッター』で歌にしている。「ゴミ箱の夢がかなうまで君は/こき使われながらギリギリのところで耐えている/君のような人がいることを神に感謝する」シングルカットされることはなかったが、エルトンはお気に入りの自作の曲として度々この曲を挙げている。1988年の『REG ストライクス・バック』で続編を発表しているが、続編と呼ばれる多くの曲がそうであるように、大変残念な仕上がりとなっている。オリジナルの方がいい。

Translation by Satoko Cho

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