ブランク・レンジ:注目のナッシュビル発革新バンド

ブランク・レンジはスプーンやドライヴ・バイ・トラッカーズの前座を務めた。 (Photo by Don VanCleave)

才能が集まる町で、型破りな思考と演奏で頭角を現したインディーズバンド

バンドの音:
ガレージロックの不協和音やペイヴメントっぽさ、そしてガレージロックにしては洗練された音が魔法のように組み合わさり、荒々しく美しいメロディーに鋭利にまとめ上げられている。かなりしつこいリフ、抑え気味のサイケ、落ち着きなく意外性のある図太い作曲センスの成果だ。

ブレイクのきっかけ:
ミュージック・シティ(ナッシュビル)には確かに有り余るほどのバンドがある。ミュージシャンに溢れ、飽和状態となっている町で活動する駆け出しのバンドにはよくある話だが、ブランク・レンジはまず単純にステージ上がるための競争に勝たなければならなかった。ある日、彼らはニューフェイス・ナイトという才能ある新人を紹介するイベントで数曲演奏する機会を得た。ナッシュビルの『ベースメント』というクラブが会場だった。クラブのオーナーであるマイク・グリムズはこの5人組バンド(ヴォーカル/ギター:ジョナサン・チルダーズ、ドラム:マット・ノヴォトニー、キーボード:ジョナサン・レインヴィル、ヴォーカル/バリトンギター:グラント・グスタフソン、ベース:テイラー・ザクリー)をすぐに気に入り、機会があるたびに彼らに演奏のチャンスを与えた。

「マイクは僕らの音楽を本当に気に入ってくれて、『ベースメント』で演奏予定だったバンドにキャンセルが入ると必ず僕らに声をかけてくれた。おかげで月に2~3回は長時間のライブができた。その頃からお客さんの反応が感じられるようになって、バンドを続けていこうって思えるようになった。」こう語るのはレインヴィルだ。

順調にファンを増やし、彼らはナッシュビルに拠点を置くバンドのコンペ、ロード・トゥー・ボナルーに出場した。このコンペの勝者には、有名なボナルー・フェスティバル(訳注:アメリカ最大の音楽フェスティバルの一つ)への出場権が与えられる。ブランク・レンジは見事優勝し、その後すぐにスプーン、アリス・イン・チェインズ、ドライヴ・バイ・トラッカーズの前座を務めるようになった。

Translation by Satoko Cho

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