ファレルが心酔するレトロ・ソウルアーティスト『ライオン・ベイブ』とは

イギー・アゼリア、エリー・ゴールディング、リタ・オラ、そしてゼイン・マリクなどを擁するファースト・アクセス・インダストリーズがマネージメントを買って出たライオン・ベイブのモダン・ソウルは、今後大きな注目を集めることになるだろう。彼らのデビューアルバム『ビギン』を特別なものにしているのは、言うまでもなくハーヴィのユニークな歌声と類稀な存在感だ。ブランディーやモニカ、そしてアリーヤが2000年代初頭に確立したシーンの長期にわたるスターの不在は、ライオンベイブの登場によって終止符が打たれるかもしれない。

豪華なゲスト勢も『ビギン』の特筆すべき点のひとつだ。同作にはマーク・ロンソンや、ニーナ・シモンをサンプリングしたアブストラクトなR&Bトラック『ジャンプ・ハイ』で客演しているチャイルディッシュ・ガンビーノ、そして2015年発表の『アワーグラス』でハーヴィのダークなヴォーカルにスポットライトを当てたディスクロージャーなどが参加している。

2015年にディスクロージャーのツアーに同行したライオン・ベイブは、マディソン・スクエア・ガーデンやシドニー・オペラ・ハウスといった世界最高峰の会場で、ファレルとの共作曲『ワンダー・ウーマン』などを披露してみせた。「自分のブログに『ワンダー・ウーマン』のジフ画像を貼ったの」ハーヴィはそう話す。「それを見てファレルがこう言ったの。『君にぴったりのトピックじゃないか。それで曲を書いてごらん』」この何気ないやり取りが、ライオン・ベイブのデビューアルバムの方向性を決定づけることになったという。ハーヴィーはこう話す。「シンプルで力強いメッセージを持ったソウルの名曲は、時代を超えて人々に愛されるクラシックになる。自分もそういう曲を書きたいと思ったの」

Translation by Masaaki Yoshida

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