キース・リチャーズのワイルド伝説19選(前編)

麻薬、警察、そしてチョコバーの謎(1967)
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Photo: Henry Diltz/Corbis

1966年、リチャーズはイギリス・サセックス州のレッドランズと呼ばれる美しい邸宅を2万ポンドで購入した。その数ヵ月後、20人の警察官が違法薬物の捜査に入り、レッドランズは1960年代の麻薬捜査先として最も有名な場所の一つとなった。警察は、リチャーズ、ミック・ジャガー、マリアンヌ・フェイスフルが一日中ハイになっていたところに踏み込んだ。「ドアをノックする音が聞こえて窓の外を見ると大勢の「小人」がいた。手入れは初めてで、その時俺はまだ酩酊状態だった」リチャーズはこう振り返っている。リチャーズの運転手がタブロイド紙に情報を漏らし、タブロイド紙が警察に通報したことが後で分かった。(「運転手はクビにした」とリチャーズ)警察が乱交を止めた時、ミック・ジャガーが舐めたマーズ・チョコレート・バーをフェイスヒルの性器に押し込んでいたという噂が瞬く間に広がった。実際はリチャーズが礼儀正しく玄関のドアを開け、後にフェイスヒルが言うところの「純粋な家庭生活の営み」に警察が遭遇した、というのが真相だ。リチャーズとジャガーは麻薬関連の容疑で捕まり、短期間の懲役刑を言い渡されたが、後に判決は覆された。「マーズのチョコバーがどうやってこの話に入ってきたかは謎だ。でも、皆が何を考えているかは分かったよ」リチャーズは後にこう語っている。

父親の遺灰(2007)
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Photo: Getty

キースの父、バートランド・リチャーズの死から5年後、キースは愛する故人と独創的な方法で接触を試みたことを明かした。「俺が吸った中で一番変なもの?オヤジだよ」2007年、リチャーズはイギリスのニュー・ミュージカル・エクスプレス誌にこう語った。「オヤジは火葬だった。遺灰を粉々にして少量のコカインと混ぜたいという衝動に駆られた」そしてこの発言を不快に思うであろう人たちに向けて、「オヤジは気にしちゃいないよ。どうでもいいと思っているさ」という言葉を残した。その後、キースのマネージャーはその発言は「冗談だった」と言ったが、本人は『ライフ』にからかうような調子で詳細を書いた。「遺灰箱の蓋を開けたら遺灰がほんの少し机の上にこぼれた。払いのけることもできないから指ですくって吸いこんだのさ」

Translation by Rolling Stone Japan

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